危険レベル・ポイント
【危険レベル】
●全土
レベル1:十分注意してください。(継続)
【ポイント】
●貧困に起因する一般犯罪が多発しており、注意が必要です。
●誘拐も多数発生しており、注意が必要です。
詳細
1 概況
(1)マダガスカルは最貧国のひとつであり、以前から貧困に起因した強盗やスリ・ひったくりが多発しています。
(2)マダガスカル全土における誘拐事件の発生数は依然高い水準で推移しており、2023年にも多数発生しています。これらの事件は身代金を目的としてインド・パキスタン系実業家や地元の富裕層を狙った犯行が大半を占めており、被害者が殺害される事案もみられます。外国人も対象となる可能性がありますので十分に注意する必要があります。
(3)これまでに、マダガスカルにおいてテロによる日本人の被害は確認されていません。
他方、テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとして世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。また、近年の傾向として、警備や監視が手薄で一般市民が多く集まる場所(観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、収去関連施設等)を標的としたテロが頻発しており、このような場所では常に注意が必要です。
テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。
また、テロや誘拐に関する情報については、「テロ・誘拐情勢」
も参照してください。
2 地域別情勢
全土レベル1:十分注意してください。(継続)
(1)首都アンタナナリボ市及びその周辺
ア アンタナナリボ市内及びその周辺は、十分な注意を払えば比較的安全な状況と言われていますが、治安当局者によると治安状況は悪化しているとのことであり注意が必要です。
マダガスカルでは、国民全体が貧困状態にあり、一般犯罪は頻発しています。観光地や市場などでは、スリやひったくりが多発しており、外国人旅行者が特に多いアナラケリー市場、独立大通り、独立広場に続く大階段等では、過去には昼夜問わず日本人渡航者に対する強盗被害が発生しています。以前は、単独犯による強引な手口での犯行が一般的でしたが、最近では複数犯による組織的な犯罪(スリ、集団強盗など)が散見されています。特に市場やバス待合所など多くの人で混み合う場所では、十分な注意が必要です。
イ 日本人観光客が多く訪れる独立大通り周辺において、過去、夜間複数の警察官が検問と称して特に法律違反等をしていない日本人観光客を車から降ろし、執拗に金銭を要求し、進路を妨害し、警察署に連行するといった事案が報告されています。たとえ要求額が少額であっても、明らかに不当な金銭の要求であると考えられる場合には、毅然とした態度で支払いを断ることが重要です。また、この様な事象に遭遇した場合にはできる限り警察官の所属や氏名を確認し、在マダガスカル日本国大使館へご連絡ください。
特に深夜は、中心街であっても日中に比べ閑散としています。不要不急の外出は避け、外出せざるを得ない場合には、周囲の安全確認を怠らない等、細心の注意を払って行動してください。
(2)バッテリービーチ
南西部都市チュレアール(Tulear)から北西6kmに位置するバッテリービーチは閑静な観光地ですが、外国人に対する武装強盗、殺人や誘拐等の凶悪事件が多発したことで有名であり、各国大使館も近づかないように注意喚起を行っています。キャンプ等は行わないのはもちろんのこと、バッテリービーチには不用意に近づかないようにしてください。
(3)その他の地域
ア 治安一般
従来、地方都市は首都圏に比べ犯罪は少なく、比較的安全であると考えられていました。しかし、最近では地方都市においても外国人に対するものを含め、武装強盗、殺人や誘拐等の凶悪事件が発生しています。首都圏と同様、常に危険に遭遇する可能性があることを念頭に置いて行動してください。特に夜間においては、道路や橋の中央に木、石及び車等の障害物を置き、走行中の車両の進行を妨げた上で、強盗に及ぶ武装強盗団による犯行が多数報告されています。比較的道路状況の良い国道4号線や7号線などを通行する場合でも、夜間の通行は避け、移動は必ず明るい日中にするようにしてください。
また、車両でのマダガスカル国内の旅行には、常に道路状況に起因する交通事故に巻き込まれるリスクを伴います。特に遠方への移動は国内航空便の利用を検討してください。
イ 武装牛強盗団「ダハロ」
元来、牛の強奪を目的としていた武装牛強盗団「ダハロ」による村落襲撃事案が、南西部地域で数多く報告されていました。しかし、最近では「ダハロ」の活動地域が、他の地域にも広がっており、その範囲はマダガスカル全土に及んでいると考えられています。マダガスカル全土において治安当局が掃討作戦を実施しており、一定の成果が上がっているとされていますが、依然ダハロによる村の襲撃事案や治安当局との銃撃戦が発生し、死傷者も多数報告されています。
南部の アンドラノボリ(Andranovory:首都中心部より南南西約600km)から アンパニ(Ampanihy)に至る国道10号線、イフシ(Ihosy)から アンブヴォンベ(Ambovombe)に至る国道13号線付近は、ダハロによる襲撃事案多発地域です。上記国道の通行は昼夜を問わず控えてください。
西部のツィルアヌマンディディ(Tsiroanomandidy:首都中心部から西約180Km)からメインディラーノ(Maintirano:首都中心部から南西約500Km)にかけての道路沿いの地域での活動も確認されています。
また北部においては、ツァラタナナ周辺地域(Tsaratanana:首都中心部から北約300Km)において「ダハロ」の拠点があるとの情報があり注意が必要です。
3 滞在にあたっての注意
マダガスカルでの滞在にあたっては、下記の事項に十分留意して行動し、危険を避けるようにしてください。また、外務省、在マダガスカル日本国大使館、マダガスカル関係当局、現地報道等より最新情報を入手するよう努めてください。
また、マダガスカルにおける渡航・滞在に当たっての注意事項については、外務省海外安全ホームページ内の「安全対策基礎データ」
も併せてご参照ください。
(1)滞在中は旅券等の身分証明書を携行する(ただし、スリ・ひったくり・置き引きが頻発しているので注意を怠らないこと)。
(2)不要不急の夜間の外出は控えるとともに、昼間であっても常に周囲への注意を怠らず、また、可能な限り集団での行動に努める。
(3)デモ・集会等大勢の人が集まる場所には近づかない。
(4)海外渡航の際には万一に備え、家族や友人、職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにする。
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