ロシアの危険情報の内容を改訂します。
詳細は以下のリンク先をご確認ください。
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【危険度】
●ウクライナとの国境周辺地域
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)
●ウクライナとの国境周辺地域を除く地域(首都モスクワ市を含む)
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
【ポイント】
●2022年2月24日、ロシアがウクライナへの侵略を開始して以降、ウクライナとの国境周辺地域では、砲撃等による被害が発生し、危険な状況が続いています。これら地域への渡航はどのような目的であれ止めてください。また、既に滞在されている方は直ちに退避してください。
●2022年2月25日以降、EU加盟国等の国々がロシアの航空機が領空を飛行することを禁じ、またロシアも対抗措置として自国の領空飛行を禁じる措置を取りました。現在、トルコ、UAE、カタール、中国、ウズベキスタン等、様々な航空会社の便でロシアとの往復が可能となっていますが、今後の情勢次第では、ロシア国内からの出国手段が制限される可能性があることに留意する必要があります。
●ロシア国内では国際クレジットカード(VISAやMasterなど)の決済事業が停止されています。また、銀行間の国際送金についても様々な制限があります。外貨現金に関しては、日露双方において持ち出し・持ち込みの制限が設定されています。
●ウクライナ侵略の開始以降、ロシア領内では無人機の飛来事案が発生しています。時折モスクワ周辺を含め、国境から離れた各地への飛来も見られますが、それらのほとんどはロシア防空システム等によって破壊されている旨発表されています。
●現在のところ、ウクライナ侵略の長期化による一般治安の悪化はみられませんが、2022年8月にはモスクワ州においてロシアの著名政治思想家の娘が、2023年4月にはサンクトペテルブルク市において軍事ブロガーがそれぞれ爆死した事件が発生しており、ロシア政府関係者が狙われて死亡した事件も発生しています。2024年3月22日にはモスクワ中心部から約北西20kmのコンサート会場「クロッカス・シティ-・ホール」において銃撃テロ事件があり、多数の死傷者が出ました。本件については「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)が犯行声明を出しており、今後も警戒が必要です。また、2024年6月にはダゲスタン共和国(北コーカサス地域)で宗教施設や治安機関の施設が武装グループに襲撃される事案が発生しています。
●これらの状況から、ウクライナとの国境周辺地域を除くロシア国内全域に対してレベル3を継続します。ロシアへの渡航は止めてください。ただし、既に滞在されている方の生活基盤を確保する観点から、真にやむを得ない公益性を有する任務遂行のため、モスクワ市に渡航・滞在する場合は、特別な注意を払うとともに、現地大使館と緊密に連絡をとりつつ、十分な安全対策を講じてください。また、国内情勢が急変するとロシアからの出国手段がより一層制限される可能性がありますので、ご留意ください。
詳細
1 概況
(1)2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵略開始以降、ウクライナとの国境周辺地域では砲撃等による被害が発生しており、危険な状況が続いています。これら地域への渡航はどのような目的であれ止めてください。また、既に滞在されている方は直ちに退避してください。さらに、ブリャンスク州、クルスク州、ベルゴロド州、ヴォロネジ州及びロストフ州では、国境周辺以外の地域にも無人機の飛来が頻繁に見られています。これらの州への渡航は止めてください。
(2) 2022年2月25日以降、ロシアに対する措置として、EU加盟国等の国々がロシア航空機の領空飛行を禁じ、ロシアもこれら諸国に対し自国の領空飛行を禁じる対抗措置を取ったことから、多くの国々との間で国際航空便の運航が停止されました。また、同年3月5日、ロシア政府は、国内で外国籍登録となっている航空機を保有するロシアの航空会社に対し、ロシアへの旅客輸送・貨物輸送の停止を勧告しました。一方で、ロシアへの渡航は、トルコや中東(UAE及びカタール)の他、ウズベキスタンや中国を経由する便などが増え、現在も安定的に運航されています。しかし、今後のロシアを取り巻く国内情勢次第では航空便が再び著しく制限される可能性がありますので、ご留意ください。
(3) ロシア国内では外国で発行された国際クレジットカード(VISAやMasterなど)の決済事業が停止となっています。また、銀行間の国際送金についても様々な制限があります。外貨現金に関しては、日露双方において持ち出し・持ち込みの制限が設定されており、ロシア国内に滞在をするには注意が必要です。
(4)安全面では、2017年4月にサンクトペテルブルク市内の地下鉄において中央アジア出身者による爆弾テロが発生し多数の死傷者が出たほか、現在もロシア各地においてテロ事件やテロ計画の摘発事案が続いています。特に、北コーカサス地域では、過去に武装勢力による攻撃や自爆テロが多数発生しており、2023年及び2024年も死者が発生しています。そのような中、2024年3月にモスクワ州クラスノゴルスク市のコンサート会場「クロッカス・シティー・ホール」において銃撃テロが発生しました。本件については「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)が犯行声明を出しており、今後も警戒が必要です。
ウクライナ侵略開始以降、ロシア領内では時折モスクワ周辺を含め、国境から離れた各地への無人機の飛来事案が発生していますが、それらのほとんどはロシアの防空システム等によって破壊されている旨発表されています。また、2022年8月にはモスクワ州においてロシアの著名思想家の娘が、2023年4月にはサンクトペテルブルク市おいて軍事ブロガーがそれぞれ爆死した事件等が発生しました。
なお、露内務省発表の犯罪統計によれば、2023年中の「テロの性格を有する犯罪」の件数は年間2,382件(2022年は2,233件)となっています。(注:本統計は「ウクライナ民族主義者」らによる犯行とされるものも含む。ウクライナ侵略及び新型コロナウイルス感染拡大前(2019年)の件数は年間1,849件)。
(5) 現在のところウクライナ侵略の長期化による一般治安の悪化はみられません。ただし、ロシア国内各地では政権批判を訴える抗議活動が散発的に行われており、それ以外にも、2023年10月にダゲスタン共和国(北コーカサス地域)で数百人がイスラエルからの航空機着陸に反対して空港に侵入した事案や、2024年6月に同共和国の首都マハチカラと南部デルベントでロシア正教の教会、ユダヤ教の礼拝所及び治安機関の施設が相次いで武装グループに襲撃される事案が発生し、複数の死傷者が出ました。また、2024年1月にバシコルトスタン共和国で地元の環境活動家に対する裁判への抗議が治安機関との衝突に発展した事案も発生しています。
(6)いずれにせよ、上記のような事情も考慮の上、不測の事態に遭わないよう、海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるように心がけてください。
2 地域別情勢
(1)ウクライナとの国境周辺地域
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(継続)
ウクライナとの国境周辺地域では、砲撃等による被害が発生しており危険な状況が続いています。これら地域への渡航はどのような目的であれ止めてください。また、既に滞在されている方は直ちに退避してください。
なお、2022年4月以降、ロシア治安当局は「ウクライナ民族主義者」等によるテロへの警戒を強めており、ウクライナ国境付近(ブリャンスク州、ベルゴロド州、クルスク州等)のテロ警戒レベルを3段階中の2番目に引き上げています。
(2)ウクライナとの国境周辺地域を除く地域(モスクワ市を含む)
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
ア 2022年2月25日以降、ロシアに対する措置として、EU等の国々がロシア航空機の領空飛行を禁じ、ロシアもこれら諸国に対し自国の領空飛行を禁じる対抗措置を取ったことから、ロシアから外国に向かう航空便に制限が生じています。また、国際クレジットカード(VISAやMasterなど)は、ロシア国内での決済事業の停止しており、外貨現金の持ち出し・持ち込みの制限も設定されています。このような事情から、これら地域への渡航は止めてください。ただし、既に滞在されている方の生活基盤を確保する観点から、真にやむを得ない公益性を有する任務遂行のため、モスクワ市に渡航・滞在する場合は、特別な注意を払うとともに、現地大使館と緊密に連絡をとりつつ、十分な安全対策を講じてください。また、情勢が急変するとロシアからの出国手段がより一層制限される可能性がありますので、常に最新の状況を把握するようご留意ください。
イ ウクライナ侵略開始以降、ロシア領内では時折モスクワ周辺を含め、国境から離れた各地への無人機の飛来事案が発生していますが、それらのほとんどはロシアの防空システム等によって破壊されている旨発表されています。2022年8月にはモスクワ州においてロシアの著名政治思想家の娘が、2023年4月にはサンクトペテルブルク市において軍事ブロガーがそれぞれ爆死した事件が発生しました。また、2024年3月にモスクワ州クラスノゴルスク市のコンサート会場「クロッカス・シティー・ホール」において銃撃テロが発生しました。本件については「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)が犯行声明を出しており、今後も警戒が必要です。
ウ 現在のところ、ウクライナ侵略の長期化による一般治安の悪化はみられません。ただし、今後情勢が変化する可能性もあり注意が必要です。
また政治集会等のイベントが開催され、多数の参加者が集まった場合には、混乱に巻き込まれる可能性があります。特に、政権批判を訴える抗議集会は通常治安当局の許可なく行われ、規模の大小にかかわらず当局が厳しく参加者の拘束等の取締りを行うことが予想されます。無用なトラブルを回避するためにも、これらの集会やデモには決して近づかず、万一遭遇した場合には直ちに現場から離れるようにしてください。
エ ロシアの国境や軍事関連施設等の付近では、外国人の立入りが制限されている場所があります。さらに、制限地域であることを示す標識等が未設置であることや、ロシア語のみの表示であるため、気づかないうちに立ち入ってしまう可能性があります。知らない場所等を訪れる際には外国人の立ち入り制限区域に該当していないかを、あらかじめ旅行会社や地元関係者等に確認することが重要です。また、立ち入りが制限されている場所には近づかないようにしてください。
3 滞在に当たっての注意
(1)レベル4(退避勧告)地域に滞在されている方は直ちに退避してください。また、レベル3(渡航中止勧告)地域への渡航は止めてください。ただし、既に滞在されている方の生活基盤を確保する観点から、真にやむを得ない公益性を有する任務遂行のため、モスクワ市に渡航・滞在する場合は、特別な注意を払うとともに、現地大使館と緊密に連絡をとりつつ、十分な安全対策を講じてください。また、国内情勢が急変するとロシアからの出国手段がより一層制限される可能性がありますので、ご留意ください。
(2)ロシアに3か月以上滞在する方は、在ロシア連邦日本国大使館又はロシア国内にある各日本国総領事館が緊急時の連絡先を確認できるよう、必ず在留届を提出してください。
3か月未満の旅行や出張などの際には、渡航先の最新安全情報や、緊急時にお住まいの地域を管轄する在外公館からの連絡を受け取ることができるよう、外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。
(3) 治安面での注意事項
ア 滞在時の一般犯罪に対する注意については、《安全対策基礎データ
を御参照ください。
イ 大規模な集会・デモ行進が行われることがあり、特に無許可の集会等への参加者に対する治安当局の取締りは非常に厳しいものとなっており、集会場所の近くに留まっているだけで逮捕・拘束される事案も発生しています。無用なトラブルを回避するためにも興味本位でこれらの集会やデモに近づくことは厳に控え、万一遭遇した場合には直ちに現場から離れるよう留意してください。
ウ テロ事件や不測の事態に巻き込まれることのないよう、最新の関連情報の入手に努め、テロの標的となる可能性がある政府関係施設(特に軍、治安機関など)にはできる限り近づかないでください。また、大勢の人が集まる場所では警戒し、周囲の状況に注意を払い、夜間の一人歩きは極力避けるなど安全確保に十分注意を払ってください。また、テロ事件が発生した場合の対応策について再点検し、状況に応じた適切な安全対策が講じられるよう心掛けてください。更に詳細なテロ・誘拐情報については《テロ・誘拐情勢
を御参照ください。
エ ロシアでは、軽微な行政法違反であっても複数回の処分を受けると国外退去になる可能性があります。その場合、処分後数年間はロシアへの再入国が認められなくなることがあります。ロシアの国内法令を遵守することはいうまでもありませんが、日頃の行動には十分注意してください。
4 隣接するアゼルバイジャン、ウクライナ、カザフスタン、ジョージア、ベラルーシ、中国について、別途それぞれ危険情報が発出されています。これらの情報についてもご留意ください。
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