【アイスランド】南部における氷河溶解に伴う洪水

　7月27日、アイスランド南部にあるミールダルスヨークトル（Myrdalsjokull）氷河において、何らかの理由により氷河が溶解し、これに伴い氷河の東側の地域で大規模な洪水が発生しました。

　水位は既に下がっていますが、主要幹線道路である国道1号線（リングロード）に被害が出ており、7月29日正午現在、Vikから東に約30kmにあるSkalm川付近では片側通行となっており、同区間を通過する往来には通常より時間を要する状況です。報道等によれば、数日以内に全面復旧する見込みとのことですが、同区間を通行予定の方はご注意下さい。

　なお、氷河融解の原因は現時点で特定されていませんが、付近では地震活動が観測されていたこともあり、地震による震動、または氷河の下にある火山の活動により地表温度が上がったことが原因で氷河が融解したものと推測されています。

　アイスランドは国土全体が火山帯に位置しており全土で火山活動が活発です。現在レイキャネス半島（アイスランド南西部）で発生している火山活動に限らず、どこでも地震・噴火が発生し得るとの指摘もありますが、事前の予測が難しいことも多く、突発的に活動が始まることも珍しくありません。
　また、場所によっては交通網が寸断されると迂回ができず孤立してしまう地域もあり、交通手段が復旧するまで立ち往生を余儀なくされる場合もあります。

　アイスランドに観光に来られる方は、こうした事情も念頭に余裕のある日程で計画を立てると共に、万一の事態に備えて情報収集を怠らないようにして下さい。

アイスランド気象局：