【コロンビア】危険情報、一部地域の危険レベル引き上げ・引き下げ

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危険レベル・ポイント

【危険レベル】
●アラウカ県、カウカ県西部、ナリーニョ県西部、ノルテ・デ・サンタンデル県北部
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
●カサナレ県北部のアラウカ県県境地域、カウカ県東部、ナリーニョ県東部、アンティオキア県北部、セサール県、ノルテ・デ・サンタンデル県南部、チョコ県、ボリーバル県南部、コルドバ県南部、メタ県(アリアリ地域及びカニョ・クリスタレス地区を除く。)、ボヤカ県北部、バジェ・デル・カウカ県(カリ市の一部地域を除く。)、グアビアレ県、カケタ県、プトゥマヨ県並びにラ・グアヒラ県、ビチャダ県及びグアイニア県の3県におけるベネズエラとの国境付近
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
●メタ県(アリアリ地域)
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(引き上げ)
●メタ県カニョ・クリスタレス地区周辺
レベル1:十分注意してください。(引き下げ)
●上記以外の地域(サン・アンドレス島、プロビデンシア島等の諸島を除く。)
レベル1:十分注意してください。(継続)

【ポイント】
●ペトロ政権は全ての違法武装組織等を相手に和平交渉を進めようとしていますが、これらの組織同士の抗争や組織内の勢力争い等も含め、治安情勢は流動化しています。最新の関連情報の収集に努め、危険レベル1の地域でもテロ、誘拐、殺人等に十分に注意してください。
●都市部を離れるほど治安当局の影響力が及ばなくなるため、犯罪等に巻き込まれる危険性が高まります。また、デモやストライキによる道路封鎖、土砂崩れによる道路の通行止めなどが各所で頻繁に起きています。危険レベル2以上の地域を陸路で通過することは避けてください。
●メタ県アリアリ地域は、同県内の他地域(カニョ・クリスタレス地区周辺を除く。)と同様に、違法武装組織等の活動が確認されているほか、高い犯罪発生率を記録していることから危険レベル2に引き上げます。
●メタ県のカニョ・クリスタレス地区周辺は観光地として、治安機関による重点的・継続的な警戒活動が行われていることによって、長期間にわたり外国人観光客が被害者となる殺人・強盗などの重大凶悪事案は確認されていないことから、危険レベル1に引き下げます。ただし、同地区周辺を除くメタ県全域は危険レベル2であり、依然として違法武装組織等の活動が認められているため、同地区周辺を訪問する際は、陸路での移動は厳に避けること、空路による移動を行うことを強く推奨します。

詳細

1 概況
(1) コロンビアでは、2016年のコロンビア革命軍(FARC)と和平合意後も、国境付近や山岳地帯を中心に、和平合意に参加しなかったFARCの分派や国民解放軍(ELN)等の違法武装組織等が残存し、治安当局への攻撃が発生しています。 また違法武装組織等によるテロ、麻薬密売にかかる犯罪、一般犯罪が依然として数多く発生しています。
2023年のテロ発生数については前年比で大幅に減少している一方で、誘拐事件の発生件数は増加傾向であり注意が必要です。
また、窃盗等の街頭犯罪も増加傾向にあります。犯人は銃器や刃物等の凶器を使用することが多く、2016年11月には、メデジン市において邦人旅行者が強盗に射殺される事件が発生するなど、特に注意が必要です。

(2) ペトロ政権による違法武装組織等との交渉の行方はまだ見えておらず、2016年の政府との和平合意に参加しなかったFARCの分派、ELNやその他の違法武装組織等は、麻薬取引等による連携や敵対、組織内でのリーダーシップ争い等の内部抗争を引き起こすなど、今後の治安情勢は流動的です。現在、これら勢力の活動範囲は主に政府の取締りが手薄なエクアドルとの国境、ベネズエラとの国境に近い地域及び太平洋岸に集中しています。

(3) 違法武装組織等は恐喝、誘拐の身代金、麻薬生産・取引及び違法鉱山の運営を資金源としています。特に農村部など、都市部を離れるほど治安当局の影響力が弱くなるため、犯罪等に巻き込まれる危険性が高まります。また、幹線道路でも、パトロール中の警察官や軍等を標的とした小規模な爆弾の爆発も散発しています。危険レベル2以上の地域を陸路で通過することは避けてください。

(4) 2022年8月に発足したペトロ政権は、全ての違法武装組織等を相手に和平に向けた取引を呼びかけ、現在ELNをはじめとする各組織との交渉や対話が行われていますが、今後、これらの交渉が和平実現に向けて結実するかについては、動静を注視する必要があります。

(5) コロンビアにおける爆弾テロの発生件数は減少傾向にあるものの、警察、軍等の治安当局及びその他政府機関を対象としたものや、石油パイプライン、油井、発電施設、送電塔、橋等インフラ設備の破壊を目的としたものが依然として発生しています。
爆弾テロの手段としては、麻薬栽培地に埋設した手製の対人地雷又は殺傷力の低い手製の手りゅう弾や、有線又は無線の遠隔操作で爆発させるシリンダー型爆弾などがあります。さらに、爆弾テロの手口として、最初の爆発に続けて、見物人や爆弾処理班を狙った遠隔操作による二次爆発もありますので、爆発直後にその現場には決して安易近づかないようにしてください。
2024年中は、主にバジェ・デル・カウカ県南部及びカウカ県北部において、爆弾を積載したドローンによる、軍・警察施設やサッカー場等多数人が集まる場所に対するテロが発生しております。

(6) コロンビアでは2001年にボゴタ市でFARCに誘拐された邦人が2003年に殺害された事件や、2010年3月にコロンビア南部の山間部で誘拐された邦人が同年8月まで拘束された事件など、過去に日本人が被害に遭う事件が発生しています。また、近年、都市部で犯罪組織がタクシーを偽装して乗客・家族から身代金を要求する短時間誘拐「パセオ・ミジョナリオ」が多く発生しています。

2 地域別情勢
(1) アラウカ県、カウカ県西部(ポパヤン市及びプラセ市を除くセントロ地域、ノルテ地域、スル地域、オクシデンテ地域)、ナリーニョ県西部(サンギアンガ地域、テレンビ地域、パシフィコ・スル地域、ピエデモンテ・コステロ地域、オバンド地域)、ノルテ・デ・サンタンデル県カタトゥンボ地域
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)

ア これらの地域では、違法武装組織等による、殺人、誘拐、治安当局に対する襲撃等の重大犯罪が多数確認されており、麻薬に関わる犯罪も多発しています。また、石油パイプライン、送電設備等のインフラに対する破壊活動や、治安部隊を狙った攻撃が発生しており、多くの武器や爆発物(対人地雷、爆薬等)が押収されています。山間部ではコカやケシなどの麻薬が栽培されており、麻薬取引を巡る抗争や、政府による麻薬を根絶する政策に反対するデモも発生しています。さらに、これらの組織間の勢力争いもあり、治安情勢は流動化しています。

イ ベネズエラと国境を接するアラウカ県やノルテ・デ・サンタンデル県カタトゥンボ地域は、ベネズエラへのコカインの主要な輸出ルートになっているほか、ELN等の違法武装組織の支配地域が存在します。治安機関やインフラ施設に対する爆弾攻撃のほか、組織間の抗争も続いています。

ウ ナリーニョ県のエクアドルとの国境地帯ではFARCの分派の活動が認められ、2018年3月以降、同地域において、エクアドル人5名が誘拐された後に殺害される事件が発生しており、軍・警察による大規模な掃討作戦が行われています。また、ナリーニョ、カウカ両県の西部では、違法武装組織等の内部抗争や、薬物密売の利権争い、先住民族居住区の不法占拠なども発生しています。

つきましては、これらの地域への渡航は、どのような目的であれ止めてください。

(2) カサナレ県北部のアラウカ県県境地域、カウカ県東部(オリエンテ地域、マシソ地域、ボタ・カウカナ地域、ポパヤン市(県都)及びプラセ市)、ナリーニョ県東部(セントロ地域、グアンブジャコ地域、フアナンブ地域、ラ・コルディジェラ地域、ラ・サバナ地域、ロス・アバデス地域、オクシデンテ地域、リオ・マジョ地域)、アンティオキア県(スルオエステ地域、バジェ・デ・アブラ地域及びオリエンテ地域を除く。)、セサール県、ノルテ・デ・サンタンデル県(カタトゥンボ地域を除く。)、チョコ県、ボリーバル県(コルドバ市以北を除く。)、コルドバ県アルト・シヌー地域及びサン・ホルヘ地域、メタ県(アリアリ地域及びカニョ・クリスタレス地区を除く。)、ボヤカ県グティエレス地域、バジェ・デル・カウカ県(カリ市一部地域を除く。)、グアビアレ県、カケタ県、プトゥマヨ県並びにラ・グアヒラ県、ビチャダ県及びグアイニア県の3県におけるベネズエラとの国境付近の地域
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)

ア これらの地域では、薬物密売の利権争いによる犯罪が発生しているほか、違法鉱山採掘が行われるなど、反政府武装組織等の活動が活発です。また、これらの地域の多くは農村部であり、その一部では治安当局の影響力が限定的であることから、社会・治安情勢は不安定となっています。

イ パナマと国境を接するコロンビア西部のチョコ県から、ベネズエラとの国境に近いコロンビア東部の県にかけての一帯は、麻薬の輸送経路の一つで、違法武装組織等による犯罪に巻き込まれる可能性が高くなっています。また、ELN等によるテロ、誘拐等も散発的に発生しています。

ウ ベネズエラと隣接するラ・グアヒラ県、ビチャダ県及びグアイニア県の国境付近は、治安当局の影響力が限定的です。違法武装組織等がベネズエラとコロンビアを違法に出入国するルートが存在するとされ、犯罪に巻き込まれる恐れが高いほか、情勢が急変する可能性もあります。

エ バジェ・デル・カウカ県カリ市東部コムーナ13、14、15、16、21及び同市西部のコムーナ20では、小規模な麻薬犯罪組織やELNの一部が存在しており、組織間抗争等による殺人事件等が多数発生しており、事件に巻き込まれる危険があります。

オ グアイニア県及びカケタ県は、コカの栽培地が存在し、ここから太平洋岸に向けて麻薬の輸送経路の一つとなっているほか、プトゥマヨ県は、ブラジルやエクアドルとの薬物や武器の密輸の拠点となっており、違法武装組織等の活動が活発です。

つきましては、これら地域への不要不急の渡航は止めてください。渡航する場合には、特別な注意を払うとともに、十分な安全対策をとってください。

(3) メタ県アリアリ地域
レベル2:不要不急の渡航は止めて下さい。(引き上げ)

メタ県アリアリ地域は、同県内の他地域と同様に、違法武装組織等の活動が確認されているほか、高い犯罪発生率を記録していることから、危険レベル2に引き上げます。

(4) メタ県カニョ・クリスタレス地区周辺
レベル1:十分注意してください。(引き下げ)

メタ県のカニョ・クリスタレス地区をはじめとするラマカレナ山脈国立自然公園は観光地として、治安機関による重点的・継続的な警戒活動が行われていることによって、長期間にわたり外国人観光客が被害者となる殺人・強盗などの重大凶悪事案は確認されていないことから、同地区周辺を危険レベル1に引き下げます。ただし、同地区周辺を除くメタ県全域は危険レベル2であり、依然として違法武装組織等の活動が認められているため、同地区周辺を訪問する際は、陸路での移動は厳に避けること、空路による移動を行うことを強く推奨します。

(5)上記以外の地域(サン・アンドレス島、プロビデンシア島等の諸島を除く。)
レベル1:十分注意してください。(継続)

ア 首都ボゴタ
ボゴタ市内は、治安当局の統制が強く、他地域に比べて治安は安定していますが、市内南部の傾斜のある地区、旧市街や繁華街では、様々な階層の人が集まるため、犯罪グループの抗争に巻き込まれたり、睡眠薬強盗やスリ等の窃盗被害に遭う高い危険性があります。全国的に近年増加を続けている窃盗・強盗の発生件数は、人口が密集しているボゴタ市全域で増加傾向です。
また、2017年6月には市内の高級ショッピングセンターの女子トイレに仕掛けられた爆発物が爆発し女性3人が死亡、2022年3月には市内南部地域にあるCAI(日本の交番のような警察施設)に仕掛けられた爆発物が爆発し児童2名が死亡、警察官や民間人30名以上が負傷するなど、爆弾テロ事件も発生していますので、十分な注意が必要です。

イ それ以外の地域
当局による治安対策により、治安は比較的安定していますが、依然として窃盗・強盗等の一般犯罪は多発しており、様々な人が集まるエリアでは、犯罪グループの抗争に巻き込まれたり、睡眠薬強盗やスリ等の窃盗被害に遭う危険性があります。比較的治安の良いとされる地区であっても、強盗や窃盗などの犯罪の邦人被害が発生しており、2016年には、アンティオキア県メデジン市で、邦人の旅行者が強盗犯人に銃で殺害される事件が発生しました。

つきましては、これらの地域への渡航に当たっては、危険を避けるため十分注意して下さい。

3 渡航・滞在に当たっての注意
コロンビアに滞在中は、以下の事項に留意して、十分な安全対策を行い、危険を避けるよう行動してください。詳細は安全対策基礎データ(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure_248.html)を参照してください。また、外務省、在コロンビア日本国大使館、現地関係機関等から最新の情報を入手するよう努めてください。

(1) 観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等はテロの標的となりやすく、常に注意が必要です。また、上述の短時間誘拐を含め、外国人を標的とした誘拐のリスクも排除されず、注意が必要です。
テロはどこでも起こり得ること、日本人もテロ・誘拐の標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等から最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。また、誘拐の被害を未然に防ぐため、「目立たない」、「用心を怠らない」、「行動を予知されない」の安全のための三原則を念頭に、日常における予防を忘れないでください。通勤時間や経路を常に変更したり、外出や帰宅時に、周囲に不審者や不審車両が見当たらないかチェックする等、注意が必要です。万一拘束された場合には、犯人の指示に従い、むやみに抵抗しないことが肝要です。誘拐対策の詳細は「海外における脅迫・誘拐対策Q&A」(https://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph_04.html)を参照してください。
詳細は、コロンビアの「テロ・誘拐情勢」も、併せてご確認ください。
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_248.html)

(2) 一般的な注意事項
コロンビアに渡航・滞在する方は、次の諸点に留意し、犯罪やトラブルに巻き込まれることのないよう、注意してください。

ア 悪天候による土砂崩れ等による通行止めや、デモやストライキによる道路封鎖も度々発生しています。迂回路がない場合も多いため、どうしても車両で移動しなければならない場合には、事前に道路状況を確認の上、旅行してください。

イ 隣国の国民に対する陸路による出入国手続は簡素化されていますが、日本人等外国人に対しては適用されていないので注意してください。また、犯罪被害防止の観点からも、隣国への移動には空路の利用を強くお勧めします。

ウ 犯罪被害や緊急事態に備え、携帯電話等の常時携帯に加えて、日程や渡航先での連絡先を家族や信頼の置ける知人・職場などへ伝えておくとともに、被害に遭った、あるいは緊急事態が発生した場合には、直ちに在コロンビア日本国大使館までご連絡ください。

エ 海外渡航の際には万一に備え、家族や友人、職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
3か月以上滞在される方は、在コロンビア日本国大使館が緊急時の連絡先を確認できるよう、必ず「在留届」を提出してください。
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html
3か月未満の旅行や出張などの際には、渡航先の最新の安全情報や、緊急時に在コロンビア日本国大使館の連絡を受け取ることができるよう、外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html

(3)コロンビアと国境を接するベネズエラ、エクアドル、パナマ、ペルー、ブラジルに対しても、それぞれ危険情報が発出されていますので留意してください。

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