【ボリビア】全土での麻しん(はしか)緊急事態宣言発令

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● 6月24日、ボリビア政府はサンタクルスを中心とする麻疹(はしか)の流行を受けボリビア全に「麻疹緊急事態宣言」を発令しました。
● 経済状況の悪化から麻しんワクチンが不足しており、ボリビア渡航後の病院での麻しん予防接種は困難な状況です。
● ボリビアへ渡航される場合には、麻疹(はしか)の予防接種歴を確認し、接種記録がない場合は、あらかじめ予防接種を受けることを検討してください。

1. ボリビア全土での麻しん(はしか)の流行と渡航前の対応
(1) 6月24日、ボリビア政府はボリビア全土に「麻しん緊急事態宣言」を発令しました。保健省によると、サンタクルス県57名、ラパス県2名、ポトシ県1名の合計60名の麻しん(はしか)感染者が確認されています。
(2) ボリビアでは生後12ヶ月と18ヶ月の2回、麻しんワクチンの定期接種を実施していますが、経済状況の悪化からワクチンが不足しており、ボリビア渡航後は病院でのワクチンの接種が難しい状況です。
(3) ボリビアへ渡航される場合には、母子保健手帳などで麻しん予防接種歴を確認し、接種を受けた記録がない場合は、あらかじめ予防接種を受けることを検討してください。
(4) なお、日本では麻しん予防接種前に「抗体検査」を行います。定期接種の記録が無い方も、麻しんの罹患歴があり、検査で免疫が有る(抗体価が高い)と判定されれば、予防接種を受ける必要はありません。

2. 麻しん(はしか)について
(1) 麻しんは、麻しんウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症として知られています。
麻しんウイルスの感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播し、その感染力は非常に強く、免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%発症し、一度感染して発症すると一生免疫が持続すると言われています。
(2) 感染すると約10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れます。2~3日熱が続いた後、39℃以上の高熱と発疹が出現します。肺炎、中耳炎を合併しやすく、患者1,000人に1人の割合で脳炎が発症すると言われています。
(3) 死亡する割合は、先進国であっても1,000人に1人と言われています。その他の合併症として、10万人に1人程度と頻度は高くないものの、麻しんウイルスに感染後、特に学童期に亜急性硬化性全脳炎(SSPE)と呼ばれる中枢神経疾患を発症することもあります。
(4) 現在、ボリビア以外でも海外における麻しんの流行が報告されており、諸外国を推定感染地域とする輸入事例の報告が日本で増加しています。
(参考)
○ 厚生労働省ウェブサイト:麻しんについて

麻しんについて
麻しんの発生状況、対処法、ワクチンなどについて解説いたします。

○ 国立感染症研究所感染症疫学センターウェブサイト

麻疹
はしかにならない!はしかにさせない!

○ 厚生労働省FORTHウェブサイト:麻しん(はしか)(Measles)

麻しん(はしか)(Measles)
厚生労働省検疫所「FORTH」、海外で健康に過ごすために。

3. 麻しん予防接種について
(1) 麻しんは感染力が強く、空気感染もするので、手洗い、マスクのみで予防はできません。麻しんの予防接種が最も有効な予防法といえます。
(2) 麻しん含有ワクチン(主に接種されているのは、麻しん風しん混合ワクチン)を1回接種することによって、95%程度の人が麻しんウイルスに対する免疫を獲得することができると言われています。また、麻しん患者に接触した場合、72時間以内にワクチンの接種をすることで、麻しんの発症を予防できる可能性があります。
(3) 日本国内では、1978年10月から生後12ヶ月以上6歳までの1回の定期接種制度が始まりました。2006年度からは1歳児と小学校入学前1年間の小児の2回接種制度が始まり、2008年度から2012年度の5年間に限り、中学1年生と高校3年生相当年齢の人に2回目のワクチンが定期接種として導入されていました。
(4) 2023年に日本人5,483名の麻しん抗体保有状況を調査した結果、予防接種歴の無い方も含まれた45歳以上の抗体保有率が95%以上と最も高い値を示しており、定期接種以前は麻しん罹患により抗体を獲得した方が非常に多いことが判明しています。
(参考)
○ 厚生労働省ウェブサイト:麻しん・風しんワクチン(MRワクチン)

MRワクチン
MRワクチンについて紹介しています。

○ 厚生労働省ウェブサイト:麻しん風しん予防接種の実施状況

麻しん風しん予防接種の実施状況|厚生労働省
麻しん風しん予防接種の実施状況について紹介しています。

○ 厚生労働省FORTHウェブサイト:予防接種実施機関の探し方

予防接種実施機関の探し方
厚生労働省検疫所「FORTH」、海外で健康に過ごすために。

○ 国立健康危機管理研究機構「麻疹の抗体保有状況―2023年度感染症流行予測調査(暫定結果)」

麻疹の抗体保有状況―2023年度感染症流行予測調査(暫定結果)|国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト

4. ボリビア渡航後の留意事項
(1) 帰国後2週間程度は麻しん発症の可能性も考慮して健康状態に注意すること。
(2) 発熱や咳そう、鼻水、眼の充血、全身の発しん等の症状が見られた場合は、医療機関を受診すること。また受診時には、医療機関に対して事前に、麻しんの流行がみられる地域に渡航していたことや、麻しんの可能性について伝達すること。
(3) 医療機関を受診する際には、医療機関の指示に従うとともに、可能な限り公共交通機関を用いることなく受診すること。

 
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感染症・公衆衛生情報ボリビア
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