【ペルー】安全対策情報

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ペルー安全対策情報(2024年7~9月分:邦人被害例等)

令和6年10月1日
1 社会・治安情勢
(1)2022年12月7日の国会による前大統領の罷免、新大統領の就任以降から1年以上が経過し、同時期に継続していた大統領の辞任及び選挙の早期実施等を求める抗議活動は沈静化しています。他方、一部山間部地域、国境地帯、トゥンベス州、ラ・リベルタ州の一部地域や一部の国道及びその両側500メートルの場所に対して非常事態宣言が継続され、リマ市の13地域(アテ区、アンコン区、カラバイリョ区、コマス区、インデペンデンシア区、ロスオリーボス区、ルリガンチョチョシカ区、プエンテピエドラ区、リマック区、サンマルティンデポーレス区、サンフアンデルリガンチョ区、サンタロサ区、ビヤエルサルバドル区)およびカヤオ憲法特別市ベンタニーヤ区に対しては治安対策のための非常事態宣言が新たに発出されるなど、依然として社会・治安情勢は流動的です。また、下記2(1)のとおり犯罪件数の増加も顕著であり、下記2(2)アのとおり窃盗等の邦人被害が急増しており、外出時にはより一層の注意が必要です。

(2)観光客が多く訪れるマチュピチュも、デモ隊による線路封鎖や大雨被害による土砂崩れ等により鉄道の運行が休止することがあり、その場合には、他に移動手段が徒歩だけとなるので最新の情報の入手に努めてください。

(3)テロ組織は一部山間部地域に潜伏し、麻薬密輸を資金源に現在も活動を続け、軍や国家警察に対する武力攻撃を続けています。

2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)全般
ア 2023年中の刑法犯罪認知件数は、全国で570,890件(前年比19%増)と前年から大きく増加しました。2021年以降、コロナ禍の各種制限の撤廃に伴い現在では都市部を中心に急激に犯罪が増加しています。
罪種別の統計では、強盗や窃盗等の財産に対する犯罪379,357件(前年比79,262件増同26%増)となっており、これらの犯罪は、首都リマ市・カヤオ憲法特別市において集中的に発生しています。これら件数はあくまで警察に被害申告がなされたことにより把握された犯罪件数の統計であり、実際には未申告の更に多くの犯罪が発生しているものと考えられます。

イ コロナ収束後、外国人観光客が被害者となる長距離バス車内での犯罪やタクシー強盗の発生が報告されています。具体的には夜間、知らないうちに人気のない場所に連れていかれ、その場所で待ち伏せていた強盗犯人が乗り込み乗客の金品を奪い立ち去る手口の他、運転手や他の乗客から薬物が混入した菓子や飲み物等を勧められ口にしたところ昏睡してしまい、所持品を奪われる等の手口です。長距離バスやタクシー利用時はなるべく夜間の利用は避ける、運転手や乗客の身分確認が徹底されている会社を選び、タクシー会社や配車アプリに登録していないタクシー等の利用は避けてください。

ウ 比較的安全とされているミラフローレス区やサン・イシドロ区等においても、日中から、オートバイを使用した犯人らによる、ひったくりや強盗が多発しています。また高級腕時計や貴金属を持つ者の後をつけ、人気の無い場所で襲うといった手口は従来から継続して発生しており装飾・携行品には特に注意してください。

エ 特に携帯電話を使用中の歩行者を狙った、ひったくりの発生が急増しており被害時に抵抗したため犯人から銃撃される事例が多く発生しています。国内で1日あたり5,000件を超える携帯電話の盗難が発生しているとの統計もあり、外出時は自分の持っている携帯電話は犯人にとって「高級品」であることを自覚し、十分注意すると共に、被害時には絶対に抵抗しないことが重要です。また、携帯電話の盗難件数の増加に伴い、被害品の携帯電話に保存された個人情報を悪用したインターネット犯罪も増加しています。歩きながらの携帯電話の使用は控え、やむを得ず、携帯電話を屋外で使用する場合は、周囲をよく警戒することが大切です。

オ 強盗の手口として、一般人を装った共犯者(連絡役)が市内各所(店舗の出入口、銀行・ATM前、飲食店内、空港の出入口付近等)に配置されており、共犯者が、被害者を物色・選定し、実行犯に連絡するという手法が取られていることから、これまで以上に所持品・携行品は他人から見えない様に携行し、華美な服装は避ける等といった、ターゲットにならないための注意を払う必要があります。特に被害者が金融機関を利用した直後に襲われる事件が多発しています。

(2)主な犯罪発生例等
ア 邦人被害例
(窃盗)イカ市からリマ市に向かう路線バスを利用していた被害者が、休憩のため、一時的に下車した際に座席に置き忘れてしまった荷物を盗まれる被害に遭った。
(窃盗)クスコ市内を観光中の被害者が肩から下げていたポーチに入れていたパスポートを盗まれるという被害に遭った。
(窃盗)被害者がレインボーマウンテンを観光中、ツアーバス内に保管していた荷物を盗まれる被害に遭った。

イ 在留邦人が多く住む地区での犯罪発生例
(強盗)リマ市ヘスス・マリア区において、夜間、自宅前で車を降り、中に入るところを狙われた被害者が強盗被害に遭い、財布、高級時計や携帯電話を奪われた。犯人らは被害者に拳銃を突き付け、銀行口座や暗証番号の情報を教えるように要求した。
(恐喝)リマ市サンティアゴ・デ・スルコ区において、歯科医院を経営する被害者が恐喝被害に遭い、その要求に従わなかったところ、犯人らが診療所前で手りゅう弾を爆発させた。
(窃盗)リマ市サン・ボルハ区のショッピングセンター内の携帯電話販売店に、夜間閉店中、犯人グループが押し入り、携帯電話端末及び売上金を盗み、逃走した。
(窃盗)リマ市サンティアゴ・デ・スルコ区において、その周辺地域の住居に侵入し、盗みを繰り返していた犯人グループが逮捕された。犯人らは、住居の呼び鈴を鳴らし、家人の不在を確認して、犯行に及んでいた。
(強盗致傷)リマ市ヘスス・マリア区の路上において、強盗に襲われた被害者が犯人に抵抗し、銃撃を受ける被害に遭った。
(窃盗)リマ市ラ・モリーナ区において、路上に駐車していた高級車を盗もうとしていた犯人が巡回中のセレナスゴに捕まった。犯人は、付近の住民を装って、被害車両を物色し、付近の人通りが無くなったところ、犯行に及んでいた。
(強盗)リマ市ヘスス・マリア区の病院内薬局へ拳銃を持った男が押し入り、医薬品、現金等を奪って逃走した。犯人は、診察時間中に、患者を装い、病院の警備を通過した。
(窃盗)リマ市サン・イシドロ区において、ランニング中を装った犯人が酒に酔って、眠り込んでしまっていた被害者を発見し、その所持品である携帯電話とカバンを盗んだ。
(殺人)リマ市リンセ区の商業地域において、売春あっせん業者の男性が対立グループからの報復に遭い、銃撃を受け、死亡した。
(強盗)リマ市ミラフローレス区において、夜間自宅前で車を停め、友人2名と談笑していた被害者が強盗被害に遭い、車や所持品を奪われた。
(強盗)リマ市ミラフローレス区において、サーフィンインストラクターの男性が自動車強盗被害に遭った。事件後、被害者のもとに犯人らから連絡があり、車に積んでいたたくさんのレンタル用サーフボードを返してほしければ、現金を払えという恐喝被害に遭った。
(強盗)リマ市ミラフローレス区において、大学から帰宅途中の被害者が自宅マンション前で強盗被害に遭った。事件が起こったのは、まだ周囲に人通りのある午後9時頃であった。

ウ 返金トラブルの発生
インターネット上のホームページを通じて、ペルー国内のツアー旅行を申し込んだ方から、ツアーがキャンセルされたが返金されないというトラブルが報告されています。インターネット上の旅行業者にツアーを申し込む際には、1)キャンセルの条件や規約などを確認し、内容を十分理解したうえで利用すること、また、2)ペルー通商観光省に登録されている旅行業者か確認するなどして、信頼できる業者であることを十分確認することの2点を強くお勧めいたします。
ペルー国内に所在する旅行代理店は、ペルー通商観光省(MINCETUR)への登録が義務づけられており、登録の有無及び旅行業者の情報は以下の手順で確認することが可能です(スペイン語表記)。なお、IATA(国際航空運送協会)への登録(ロゴマークの表示)の有無などにより信頼性を確認することもできます。
(1)まず、旅行代理店の納税者番号を確認します。以下のリンクより、ペルー国家税関税務監督庁(SUNAT)のHPにアクセス。
http://e-consultaruc.sunat.gob.pe/cl-ti-itmrconsruc/jcrS00Alias
・左下の「Por Nomb. /Raz. Soc.」の欄を押して、検索ボックスに旅行代理店の名称を入力した上で、検索「Buscar」をクリックします。
・法人情報をクリックして、納税者登録番号(Numero de RUC)を確認します。
※類似名の事業者が表示される場合がありますのでご注意ください。
(2)次に、以下のリンクより、ペルー通商観光省(MINCETUR)のHPにアクセスし、旅行代理店として登録されているか確認します。
https://consultasenlinea.mincetur.gob.pe/directoriodeserviciosturisticos/DirPrestadores/DirBusquedaPrincipal/AgenciaViajes?IdGrupo=2
・「N° RUC」の欄に先ほどSUNATで確認した納税者登録番号(Numero de RUC)を入力し、検索「Buscar」をクリックします。旅行代理店として通商観光省に登録がある場合は、同社の情報が表示されます。

3 テロ・爆弾事件発生状況
アプリマック・エネ・マンタロ川渓谷(VRAEM)地域の一部地域では、引き続き武装組織と治安部隊との衝突が度々発生しています。同地域における非常事態宣言は今後も継続される見通しです。これらの地域に対しては、日本政府としても危険情報のレベル3(渡航中止勧告)を発出していますので、理由の如何にかかわらず立ち入らないでください。

4 誘拐・脅迫事件発生状況
ペルーではリマ市を含む各地で、年少者被害の誘拐や、ATMから現金を引き下ろさせる目的の誘拐強盗(短時間誘拐)が発生しています。
また、富裕層を対象とした脅迫、恐喝、殺人事件が発生しています。被害の対象とならないためには、普段からパターン化した行動を避け、犯人に行動を予知されないようにすることが大切です。さらに、リマ州サン・ファン・デ・ルリガンチョ区、サン・フアン・デ・ミラフローレス区、サン・マルティン・デ・ポーレス区及びリンセ区では、犯罪組織による恐喝事件が急増しており、殺し屋による殺人事件や組織同士の対立による銃撃戦も発生しています。外出する際は、周囲への警戒を怠らないことが肝要です。

5 日本企業の安全に係わる状況
現在、特段の情報はありません。

 
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海外での邦人被害強盗窃盗詐欺・恐喝治安情報中南米ペルー
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