○ザンビア保健省は3月21日の国民議会において、東部州でアウトブレイクが確認されている結膜炎に関して公衆衛生の安全を脅かす緊急重要案件として発言を求められ、本文記載の回答を行っています。
○ザンビア保健省は、感染防止及び感染拡大防止のため下記を呼び掛けています。
1.衛生管理の徹底に加え、私物の共有を避けること、物の表面を清潔に保つこと
2.症状出現時は、速やかに医療機関を受診すること
・東部州のManbwe地区とChadiza地区で子供と若者を中心に1,300症例以上の結膜炎の流行が確認されています。
・最初の症例は、2024年3月6日にMfuwe Day Secondary Schoolで確認された16歳の少女でした。
・この結膜炎は、昨年末に中央アフリカで流行が始まり、2024年の1月以降アフリカ大陸の東部及び南部に感染が広がっているもので、ザンビア特有の流行ではありません。
・ZNPHIの調査によると、本感染症は細菌性感染ではなく、ウイルス性感染(エンテロウイルス、アデノウイルス)と考えられており、現在さらなる検査を進めています。
結膜炎の症状は、
・白目がピンク又は赤くなる
・結膜(白目の表面にある膜)又は瞼の腫れ
・涙の増加
・膿、特に黄緑色の膿(これは細菌性の結膜炎に多い症状)
・かゆみ、刺激感、灼熱感
・眼に異物が入った様な感じ、また目を擦りたい衝動に駆られる
・起床時に瞼やまつげに目やにが沢山付着している
・風邪、インフルエンザ、その他の呼吸器症状
・羞明感(まぶしく感じること)
・コンタクトレンズが上手く使用できなくなったり、不快感が強くなる
結膜炎の危険因子は、
・感染者との接触
・衛生状態が悪いこと
・フェイスタオルや枕などの個人が使用する物の汚染
・密集した生活環境・社会状況(小学校、兵舎)
一般市民には、衛生管理の徹底をお願いします。
1 衛生管理の徹底
(a)眼を洗う前後には20秒以上の時間をかけ石鹸とお湯で手をよく洗うこと、処方された眼薬を使用すること。
(b)眼を触ったり擦ったりしないこと。さらなる感染拡大を引き起こします
2 私物の共有は避ける
(a)結膜炎患者とのタオル、体を洗うタオル、枕などを共有しない
(b)化粧品、コンタクトレンズケースなどを共有しない
3 物の表面を清潔に保つ
(a) ドアノブ、カウンター、共有の電子機器など、頻繁に触れる表面を清潔にし、消毒することで細菌やウイルスの蔓延を防ぐ;
(b) 枕カバー、シーツ、洗濯バサミ、タオルは熱湯と洗剤で頻繁に洗い、それらを扱った後は手を洗う。
症状を確認した場合は速やかに医師の診察を受けて下さい。
(a) 結膜炎の症状(充血、かゆみ、目やに、目の痛みなど)が現れた場合は、速やかに医師の診察を受けること。
(b)合併症を予防し、他の人に感染を広げるリスクを減らすために、医療提供者の推奨する治療とフォローアップケアに従うこと
(c)目を触ったりこすったりしないこと。
これは症状を悪化させたり、もう片方の目に感染させる可能性があります。
(d)フェイスウェアを共有しない。
結膜炎は非常に感染力が強く、私たちは結膜炎が国から国へと広がっていく様子を見てきました。うまく抑えられなければ、感染が国内各地に広がることは目に見えています。どうか感染者は自宅療養し、地域社会での移動は避けてください。
(当館注1)
本疾患に関する詳細な情報は、未だ保健省からは公表されていませんが、様々な情報から推察するに、本疾患は日本では、“はやり目(流行性角結膜炎)”、“プール熱(咽頭結膜炎)”などと呼ばれている疾患と考えられます。
これらは感染力が強いため、学校・家族内で感染が広がりやすく、日本では診断されると治癒するまで登校・登園が禁止されています。皆様におかれましては、手指消毒の再徹底(触れる前・触れた後)に加えて、タオルなどの共有を避けること、家族内や職場内で感染が確認された場合は共有部分をしっかり消毒すること、(特に)感染が確認された地域での公共施設利用を避けること、などが推奨されます。
(当館注2)
上述の症状が出現した場合は、眼科での適切な診断が必要となります。特に“はやり目(流行性角結膜炎)”であった場合は、経過によっては視力に影響を及ぼすこともあるため、病院受診をした際は医師の指示に従って治療を完遂するように心がけてください。
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