【ミャンマー】危険情報

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ミャンマーの危険情報【一部地域の危険レベル引き上げ】

2024年4月2日
【危険レベル】
●ラカイン州マウンドー県(マウンドー地区、ブディタウン地区)、シットウェ県(シットウェ地区(除く市街地)、パウトー地区、ポンナチュン地区、ラテダウン地区)、ミャウー県(ミャウー地区、チャウトー地区、ミンビャ地区、ミェボン地区)、チン州パレワ地区、シャン州コーカン自治地帯及びカチン州ライザー周辺
 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
●戒厳令発令地区(ヤンゴン地域の6地区除く)※シャン州5地区は新規
○チン州8地区(ティディム地区、トンザン地区、ファラム地区、カンペレッ地区、マトゥピ地区、タンタラン地区、ハーカー地区、ミンダ地区)
○ザガイン地域14地区(インドー地区、バンマウ地区、コーリン地区、ピンレーブー地区、ミャウン地区、サーリンジー地区、パレー地区、インマービン地区、キンウー地区、タゼー地区、イェーウー地区、シュエボー地区、ウェッレッ地区、アヤードー地区)
○マグウェ地域5地区(ガンゴー地区、ティーリン地区、ソー地区、パウッ地区、ミャイン地区)
○カヤー州4地区(デモーソー地区、プルーソー地区、シャードー地区、ボーラケー地区)
○バゴー地域5地区(タンタビン地区、オウッポー地区、ナッタリン地区、パウンデー地区、パウッカウン地区)
○タニンダーリ地域2地区(タニンダーリ地区、パロー地区)
○カレン州2地区(チャインセイッジー地区、コーカレイ地区)
○モン州1地区(イェー地区)
○シャン州13地区(継続8地区:クッカイ地区、クンロン地区、ナムカン地区、ムセ地区、ラショー地区、テインニー地区、コンジャン地区、ラウカイ地区/新規5地区:モーメイッ地区、マベイン地区、マントン地区、ナムサン(Namhsan)地区、ナムトゥ地区)
 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(シャン州5地区は新規;その他は継続)
上記地域への渡航は、どのような目的であれ止めてください。既に滞在中の方は不測の事態に巻き込まれないよう退避を含め危険回避を常に心がけてください。

●上記以外の地域
 レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)

【ポイント】
●2021年2月1日のクーデター以降、各地で国軍と国軍に反対する民主派勢力との衝突が断続的に発生しています。こうした状況下、武器や爆弾を用いた事案は地方部だけでなく、ヤンゴン市内を含む都市部でも発生しており、治安情勢は非常に不安定ですので、不要不急の渡航は止めてください。渡航・滞在する場合には、集会やデモが行われている場所や軍関係施設、警察署、行政施設などには近づかず、移動する場合も徒歩を避け車両を利用するなど安全には十分注意して行動してください。
●国境地帯の治安情勢は非常に不安定であるため、陸路でのミャンマーへの入国は危険です。ミャンマーでは従来から多くの武装勢力が国境地帯を中心に武力闘争を継続しており、特に、タイとの国境を接するシャン州南東部、カヤー州、カレン州、モン州、タニンダーリ地域、インドとの国境を接するチン州、中国と国境を接するカチン州、シャン州北部では少数民族武装組織が現在に至るまで国軍との武力闘争を継続しています。また、2021年2月のクーデター以降、一部の少数民族武装組織と国民防衛軍(PDF)が協力して国軍と戦闘を繰り広げており、国軍は空爆や迫撃砲を用いた大規模な攻撃を行う等、局地的に激しい戦闘が発生しています。
●2024年3月現在、国軍により設置された国家統治評議会(SAC)は、全国330地区のうち計60地区に対し戒厳令を発令し、民主派勢力や少数民族武装組織による抵抗活動の取締りや弾圧を強化しています。こうした戒厳令の対象地区(ヤンゴン地域6地区を除く)の治安状況は非常に不安定であり、不測の事態に巻き込まれる可能性が排除できないため、これら地域への渡航は、どのような目的であれ止めてください。

1 概況
(1)2021年2月1日、ミャンマー国軍がアウン・サン・スー・チー国家最高顧問、ウィン・ミン大統領を含む国民民主連盟(NLD)政権幹部を拘束しました。大統領代行(国軍出身の副大統領)は緊急事態宣言を発表し、ミン・アウン・フライン国軍司令官が行政・司法・立法の全権を掌握しました。また、国軍は国軍司令官を議長とする国家統治評議会(SAC)を設置しました。
この国軍によるクーデターに反発する大規模なデモが全国各地で発生し、多数のデモ参加者が逮捕され、多くの死傷者が発生しました。さらに、国軍は広範な地域で夜間外出禁止令、集会禁止令及び戒厳令等の措置を通じて、反国軍の活動の取締りを強化しました。これに対し、武装化した一部の市民は自衛のため国民防衛軍(PDF)を結成し、国軍に対する抵抗活動を各地で展開しています。
こうした国軍及び治安当局とそれに対抗する民主派勢力との衝突事案はヤンゴン市内を含むミャンマー各地で現在も散発的に起きています。こういった偶発的事案は必ずしも予見可能な特定の場所と時間に発生するとは限らないため、誰でも巻き込まれる可能性があります。
(2)国境地帯の治安情勢は非常に不安定であるため、タイのチェンライ県メーサイに接するシャン州タチレクや同国ターク県メーソットに接するカレン州ミャワディ等の国境ゲートを通じた入国を含め、陸路でのミャンマーへの入国は危険です。特に、カレン州ミャワディ及びシャン州タチレクでは、近年、人身売買やオンライン詐欺等の国際犯罪の拠点が確認され、外国人の被害が多数報告されています。
また、ミャンマーでは従来から多くの少数民族武装組織が国境地帯を中心に武力闘争を継続しており、上述のクーデター後に発生したデモや弾圧等の状況も加わって治安情勢は一層複雑化しており、国境地帯及び国境通過後の国内移動においても不測の事態に巻き込まれる可能性が極めて高い状況です。特に、タイとの国境を接するシャン州南東部、カヤー州、カレン州、モン州、タニンダーリ地域、インドとの国境を接するチン州、中国と国境を接するカチン州、シャン州北部では、少数民族武装組織や武装化した民主派勢力も活発に活動しています。また、2021年2月のクーデター以降、一部の少数民族武装組織とPDFが協力して国軍と戦闘を繰り広げており、局所的に空爆や迫撃砲を用いた大規模な戦闘が発生し、死傷者が多数発生している地域も存在します。
(3)2021年2月のクーデター以降、これまで武力衝突がなかったザガイン地域やマグウェ地域といったビルマ族が多く居住する地域においても、一部の地域で国軍に反対する市民が武装し、激しい抵抗活動を展開しています。これに対し、国軍は空爆や村落の焼き討ちを含む大規模な弾圧を続けており、市民が死傷する事案が発生するなど治安が悪化しています。
(4)2023年2月、SACは、全国330地区のうち、既に戒厳令が発令されていた7地区に加え、PDF等による抵抗活動が特に活発な計40地区に対し、戒厳令を発令しました。また、同年10月27日に、シャン州北部の複数の地区で、3つの少数民族武装組織(ミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA)、アラカン軍(AA)、タアン民族解放軍(TNLA))が国軍の拠点等を一斉攻撃したことを契機に、双方の間で戦闘が発生していることを受けて、ミャンマー当局は8地区に対する戒厳令を発令し、更に2024年2月28日にはシャン州北部2地区(モーメイッ地区及びマベイン地区)を、3月4日にはシャン州北部3地区(マントン地区、ナムサン(Namhsan)地区、ナムトゥ地区)を追加しました。戒厳令の対象地区においては、同地区を管轄する各軍管区司令官が行政権及び司法権を行使することができます。また、一部の戒厳令の対象地区では、空爆や村落の焼き討ちを伴う事案が発生しており、多数の死傷者が発生しています。こうした戒厳令の対象地区(ヤンゴンを除く)の治安状況は非常に不安定であるため、これら地域への渡航は、どのような目的であれ止めてください。また、現時点で戒厳令が発令されていない地域であっても、周辺地域の治安状況は非常に不安定であり、不測の事態に巻き込まれる可能性は排除できません。

2 地域別情勢
(1)ラカイン州マウンドー県(マウンドー地区、ブディタウン地区)、シットウェ県(シットウェ地区(除く市街地)、パウトー地区、ポンナチュン地区、ラテダウン地区)、ミャウー県(ミャウー地区、チャウトー地区、ミンビャ地区、ミェボン地区)、チン州パレワ地区、シャン州コーカン自治地帯及びカチン州ライザー周辺
 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
ア ラカイン州マウンドー県(マウンドー地区、ブディタウン地区)、シットウェ県(シットウェ地区(除く市街地)、パウトー地区、ポンナチュン地区、ラテダウン地区)、ミャウー県(ミャウー地区、チャウトー地区、ミンビャ地区、ミェボン地区)、チン州パレワ地区
バングラデシュと国境を接するラカイン州北部に位置するマウンドー県では、2017年8月、「アラカン・ロヒンギャ救世軍(ARSA)」を名乗る少数民族武装組織により、30か所以上の警察拠点等に対する大規模な襲撃事件が発生しました。その後、国軍・治安部隊による掃討作戦を契機として、大きな人的、物的被害が生じ、70万人以上が避難民としてバングラデシュに流出しました。また、2019年1月、少数民族武装組織「アラカン軍(AA)」と国軍の衝突が発生し、ラカイン州北部及びチン州パレワ地区で戦闘が激化しました。それ以降、両者は事実上の停戦と戦闘再開を繰り返しています。
 また、2023年11月中旬以降、これまで約1年近く停戦状態にあった国軍とAAの間で戦闘が再発し、2024年1月にはAAがチン州パレワ地区全域を占拠しました。その後もAAがラカイン州での勢力を拡大し、両者の間で戦闘が拡大しており、不安定な情勢が続いています。
イ シャン州コーカン自治地帯(コンジャン地区及びラウカイ地区)
ミャンマー国軍と、2007年までシャン州北部のコーカン自治地帯を実質支配していたミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA)との間では、2014年末に戦闘が再発し、2015年2月、コーカン自治地帯における緊急事態宣言等が発出され、国軍による空爆等が行われました。2015年11月、ミャンマー政府は、同宣言等を解除しましたが、現在も同地帯周辺では不安定な情勢が続いています。同地帯にはMNDAAの本部があり、2021年2月の国軍によるクーデター以降もなお戦闘が断続的に続いています。同地帯に位置する2地区は、2023年11月に戒厳令の対象地区に指定されています(先述)。現地の情報を正確かつ迅速に入手することは困難であり、不測の事態に巻き込まれる可能性は排除できません。
ウ カチン州ライザー周辺
 カチン州ライザーには、カチン州及びシャン州北部で活動する武装勢力であるカチン独立軍(KIA)の本部が位置しており、2021年2月の国軍によるクーデター以降もなお戦闘が断続的に続く地域です。現地の情報を正確かつ迅速に入手することは困難であり、不測の事態に巻き込まれる可能性は排除できません。
(2)戒厳令が発令されている地区(ヤンゴン地域の6地区を除く)(注)
 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)
2024年3月現在、SACは全国330地区のうち計60地区に対し戒厳令を発令しています。戒厳令の対象地区においては、同地区を管轄する各軍管区司令官が行政権及び司法権を行使することができ、物資輸送路や通信が遮断されたり、国軍・治安当局による取締りが強化されたりしています。一部の地区では、空爆や村落の焼き討ちを伴う事案が発生しており、多数の死傷者が発生しています。こうした戒厳令の対象地区(ヤンゴンを除く)の治安状況は非常に不安定であるため、これら地域への渡航は、どのような目的であれ止めてください。なお、2021年3月に戒厳令が発令されたヤンゴン地域内の6地区については、戒厳令が発令されている他の地区などで起きているような大規模な衝突が発生していないことから、レベル2(不要不急の渡航を止めてください)を継続しますが、引き続き、渡航・滞在する場合は十分に御留意ください。
(注)戒厳令の対象地区(計60地区)
●チン州8地区(ティディム地区、トンザン地区、ファラム地区、カンペレッ地区、マトゥピ地区、タンタラン地区、ハーカー地区、ミンダ地区)
●ザガイン地域14地区(インドー地区、バンマウ地区、コーリン地区、ピンレーブー地区、ミャウン地区、サーリンジー地区、パレー地区、インマービン地区、キンウー地区、タゼー地区、イェーウー地区、シュエボー地区、ウェッレッ地区、アヤードー地区)
●マグウェ地域5地区(ガンゴー地区、ティーリン地区、ソー地区、パウッ地区、ミャイン地区)
●カヤー州4地区(デモーソー地区、プルーソー地区、シャードー地区、ボーラケー地区)
●バゴー地域5地区(タンタビン地区、オウッポー地区、ナッタリン地区、パウンデー地区、パウッカウン地区)
●タニンダーリ地域2地区(タニンダーリ地区、パロー地区)
●カレン州2地区(チャインセイッジー地区、コーカレイ地区)
●モン州1地区(イェー地区)
●ヤンゴン地域6地区(新ダゴン(北)地区、新ダゴン(南)地区、ダゴン・セイッカン地区、北オッカラパ地区、フラインターヤー地区、シュエピーター地区)
※同6地区については、危険レベル2(不要不急の渡航は止めてください。)(現状維持)ですが、戒厳令が発令されている他の地区同様、軍管区司令官が行政権及び司法権を掌握しており、仮に、違法行為に関与または巻き込まれた場合には、軍事法廷で裁判にかけられる可能性があるため、渡航・滞在する場合は十分に御留意ください。
●シャン州13地区(クッカイ地区、クンロン地区、ナムカン地区、ムセ地区、ラショー地区、テインニー地区、コンジャン地区、ラウカイ地区、モーメイッ地区、マベイン地区、マントン地区、ナムサン(Namhsan)地区、ナムトゥ地区)(コーカン自治地帯に位置するコンジャン地区及びラウカイ地区は危険レベル3を継続)
(3)上記以外の地域
 レベル2:不要不急の渡航を止めてください。(継続)

2021年2月1日のクーデター以降、全国各地で国軍と国軍に反対する民主派勢力との衝突が断続的に発生しています。武装化した一部の市民が自衛のため国民防衛軍(PDF)を結成し、国軍に対する抵抗活動を各地で展開する一方で、国軍及び治安当局は各地に検問所を設置し、市民に対する取締りを強化しています。
これら地域の治安状況は不安定であり、現地の情報を正確かつ迅速に入手することは困難であるため、不測の事態に巻き込まれる可能性は排除できません。また、武器や爆弾を用いた事案は地方部だけでなく、ヤンゴン市内を含む都市部でも発生しており、治安情勢は非常に不安定です。
つきましては、これら地域への不要不急の渡航は止めてください。やむを得ず渡航する場合には特別な注意を払うとともに十分な安全対策をとってください。
渡航・滞在する場合には、引き続き不測の事態に巻き込まれる可能性は排除されませんので、集会やデモが行われている場所には近づかず、不要不急の外出を控えるとともに、移動する場合は徒歩を避け車両を利用するなど安全には十分注意して行動していただくようお願いします。

3 渡航・滞在に当たっての注意
 滞在中は、下記の事項に十分留意して行動し、危険を避けるようにしてください(この他の留意事項などについては、「安全の手引き」、「安全対策基礎データ」を御参照ください。)。また、日本外務省、在ミャンマー日本国大使館、現地関係機関及び報道等から最新情報を入手するよう努めてください。
(1)爆発事案等の発生
 2021年2月の国軍によるクーデターの発生以降、ミャンマー全土で市民によるデモや集会が行われましたが、治安当局による厳しい弾圧により、これらの活動は減少しています。一方、ヤンゴン市内を含む全国各地で軍関係施設、警察署、行政施設などを狙った爆発事案が断続的に発生するなど、治安当局と民主派勢力との間で衝突が続いています。引き続き不測の事態に巻き込まれる可能性は排除されませんので、上記の場所には近づかず、不要不急の外出を控えるとともに、移動する場合は徒歩を避け車両を利用するなど安全には十分注意して行動していただくようお願いします。
(2)一般犯罪の増加
 国軍によるクーデターの発生以降、ミャンマー国内では、経済情勢の悪化や恩赦による囚人の釈放などにより、治安情勢の悪化が懸念されています。2023年1月、邦人2名がヤンゴン市内において、徒歩で移動中に複数の男に襲われ、内1名が鋭利な物で刺される強盗傷害事件が発生しています。他にもヤンゴン市内の複数の場所において、徒歩で移動中の邦人が羽交い締めにされ現金を強奪されるなど、昼夜問わず路上強盗が発生している状況です。このような事件に巻き込まれないためにも、明るい時間帯であっても徒歩移動は避け、短時間の移動であっても自家用車やタクシーなどを利用して下さい。また、仮に窃盗や強盗に遭遇した際は身の安全を第一に考え、無理な抵抗はしないでください。
(3)写真・動画撮影の禁止
 国軍兵士や警察官及び国軍・治安当局の施設、デモ隊や治安活動の様子を撮影することは、外国人でも拘束対象となり、場合によっては禁固刑が科されるおそれがあります。カメラや携帯電話を向けるなど、撮影行為をしないで下さい。実際に、ヤンゴン市内で撮影行為を行っていた邦人が当局に拘束され、長期間に亘り刑務所に収監される事案も発生しています。
(4)薬物関連犯罪への取締り
 麻薬等違法薬物関連犯罪に対しては厳しい取締りが行われており、違反すると罰則が科されます。罪状が重大で悪質と判断されるときには死刑を宣告されることもありますので、絶対に関わらないでください。
 また、日本で合法的に処方された薬であっても、薬に含まれる成分、含有量等により、所持しているだけで、ミャンマーの法令上、違法と判断され、重罪に問われる場合があるので注意が必要です。処方薬を持ち込む際は、事前に在京ミャンマー大使館(東京都品川区)に確認することをお勧めします。

 
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