アルゼンチン、ブエノスアイレス市レティーロ駅バスターミナルにおけるケチャップ強盗

ブエノスアイレス市レティーロ駅バスターミナルにおけるケチャップ強盗

【ポイント】
邦人がブエノスアイレス市レティーロ駅前バスターミナルにおいて、ケチャップ強盗被害に遭いました。同駅周辺は盗難等の被害多発地域となりますので、お立ち寄りの際はくれぐれもご注意願います。

【本文】
邦人が被害者となる事件が発生したところ、以下のとおりお知らせします。

1 事件の概要
(1)日時
2023年2月16日午後2時40分頃
(2)場所
ブエノスアイレス市レティーロ駅前バスターミナル
(3)被害
旅券、携帯電話、現金、クレジットカード等を収納したリュックサック
(4)犯人
50~60歳代と見られる女性
(5)被害の状況
ア 被害者が、レティーロ駅前バスターミナルにて歩行中、女性が背後から執拗に話しかけてくるので無視していたところ、女性が被害者を追い越し、正面に立ちふさがった。
イ 被害者が立ち止まると、女性は被害者の着衣を指差して汚れている旨指摘するので、被害者が確認したところ、酷い悪臭のするペンキのような液体が、着衣、リュックサック及び頭髪等に付着していた。
ウ 女性は、被害者のリュックサックをバスターミナルのチケット売場カウンターの台上に下ろさせ、ティッシュで被害者の着衣の汚れを拭き取るのを手伝おうとしたので、被害者はリュックサックから目を離さずに警戒していたところ、女性は両手を使って被害者の顔をリュックサックから背けさせつつ、被害者の頭髪に付いた汚れを拭き取り始めた。
エ 女性が立ち去り、被害者が気付いた時にはリュックサックは無くなっていた。初めに女性に話しかけられてから所要5分程度の出来事であった。

2 防犯対策
(1)レティーロ駅周辺は、ビジャと呼ばれるスラム街に隣接することから、平素から治安が悪く、コロナ禍以前から強盗、窃盗等の犯罪が多発している地域です。2月14日に同駅周辺において、口論の仲裁に駆けつけた警察官が銃で撃たれ死亡する事件も発生しています。2022年にはレティーロ地区において、邦人に対する盗難被害が計3件発生しました。同駅周辺において、見知らぬ相手から話しかけられた場合は、荷物を肌身から離さないよう、十分に注意してください。
(2)今回のケースは、典型的な「ケチャップ強盗」と呼ばれる犯行手段です。犯人は、複数人のグループで組織的に犯行に及んでおり、ケチャップ、マスタード或いはペンキ等の液体を被害者に付着させ、親切を装って汚れを拭き取りつつ被害者の注意を引き付ける役、リュックサック等被害者の荷物を持ち去る・ひったくる実行役等に役割分担しています。
(3)盗難等に遭った際の被害を最小限に止めるため、旅券、携帯電話、クレジットカード及び現金等の貴重品は、一つのリュックサック等にまとめて携行することなく、ウエストポーチなど他のカバン等に分散させてください。
(4)ビジャ(スラム街)は、警察でさえも立ち入る事を躊躇する危険な地域です。2019年には、興味本位でビジャに立ち入った邦人観光客が、首絞め強盗被害に遭っています。携帯電話の追跡機能等により、盗難被害品の現在位置を特定できる場合がありますが、取り戻しに行くことは絶対に止めてください。

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