●デング熱の発生が多く見られる中南米、大洋州、東南アジア及びアフリカ等の熱帯・亜熱帯地域への渡航・滞在を予定されている方や既に現地に滞在している方は、適切な予防措置をとるよう心がけてください。また、感染が疑われる場合は早期に医療機関を受診してください。
1 デング熱について
(1)感染源
デング熱はデングウイルスによって引き起こされるウイルス感染症で、主に中南米、大洋州、東南アジア及びアフリカ地域で発生しています。ウイルスは主に感染した蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ等)に刺されることで感染します。デングウイルスには4種類の異なる血清型があり、一つの血清型のウイルスに感染して回復すると、その血清型への免疫力がつきますが、その場合でも他の血清型のデングウイルスには感染します。また、異なる血清型のデングウイルスに続けて感染すると、重症型デング熱になるリスクが増大します。
(2)症状
デングウイルスの潜伏期間は4日~10日です。突然の発熱で発症し、激しい頭痛、目の奥の痛み、筋肉や関節の痛み、吐き気、嘔吐、リンパの腫れ、発疹を伴います。通常、これらの症状は1週間程度で治り、後遺症を伴うことはほとんどありません。重症型デング熱を発症した場合は、激しい腹痛、持続的な嘔吐、歯肉や鼻からの出血、倦怠感、不安・興奮状態、肝肥大、嘔吐物や便に血が混じる等の症状が現れ、発症から3~7日ほどで重篤な状態となります。
(3)治療方法
デング熱には特別な治療法がなく、一般に対症療法が行われます。発症した場合は安静にし、十分な水分補給を行い、医師の診断を受ける必要があります。症状等に応じて自宅療養や入院治療、救急搬送等の措置がとられます。
(4)予防方法
デング熱に対しては、蚊に刺されないようにすることが最も有効とされている予防法です。デング熱発生地域に旅行を予定されている方は、デング熱を媒介するネッタイシマカ、ヒトスジシマカは、わずかな水たまりでも繁殖するため都市部でも多くみられることを念頭に置き、次の点に十分留意の上、感染の予防に努めてください。
●外出する際には長袖シャツ・長ズボンなどの着用により肌の露出を少なくする。
●肌の露出した部分には、虫除けスプレー等を2~3時間おきに使用する。
●室内では網戸や蚊帳等を使用し、蚊の侵入を防ぐ。
●電気蚊取り器、蚊取り線香や殺虫剤等を効果的に使用する。
●規則正しい生活と十分な睡眠、栄養をとることで抵抗力をつける。
●蚊の繁殖を防ぐために、空容器を適切に廃棄する、屋外の貯水容器に蓋をする等し、水たまり等の蚊の生息地、産卵場所をなくす。
○参考情報
・厚生労働省検疫所(FORTH)
「デング熱」
「デング熱と重症型のデング熱について」
「デング熱-世界の状況」
・国立感染症研究所
「デング熱とは」
2 感染が疑われる場合
中南米、大洋州、東南アジア及びアフリカ等の熱帯・亜熱帯地域への渡航・滞在を予定している方、また、既に現地に滞在している方は、前記1(4)を参考に、蚊に刺されないよう予防措置に努めてください。突然の高熱や頭痛、関節痛や筋肉痛、発疹等のデング熱が疑われる症状が現れた場合は、早期に医療機関を受診し、適切な治療を受けてください。渡航・滞在先での医療機関情報は、末尾に記載している現地日本国大使館・総領事館ホームページをご参照ください。
また、帰国時又は帰国後に発熱等体調の異常がある場合や渡航先で医療機関を受診するなど体調に不安がある場合には、空港等の検疫所にご相談いただくか、近くの医療機関を受診し、海外への渡航歴を告げてください。
詳細は以下のリンク先をご確認ください。
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