レバノンの危険情報を更新しました(一部地域の危険レベル引き上げ)。
以下のリンクで最新情報をご確認ください。
【危険レベル】
●南レバノン県南部(図示されたティール以北の地中海岸地域を除くスール地区)及びナバティーエ県のリタニ川以南(ビント・ジェベイル地区及びマルジャユーン地区)
●ナバティーエ県(ナバティーエ地区及びハスバイヤ地区)の「国連ブルーライン」周辺(同ラインから約4キロメートルの範囲)
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(一部引き上げ)
●上記以外の地域
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
【ポイント】
●2023年10月8日以降、南レバノン県南部(ティール以北の地中海岸地域を除くスール地区)及びナバティーエ県のリタニ川以南(ビント・ジェベイル地区及びマルジャユーン地区)、ナバティーエ県(ナバティーエ地区及びハスバイヤ地区)の国境周辺等において、イスラエル軍とヒズボッラー等との間で攻撃の応酬が発生しており、民間人を含めて死傷者や被害が生じています。最近では攻撃の応酬が激化しており、大規模な交戦につながる危険性について国連をはじめとする国際社会の懸念が高まっているため、同地域を「レベル4:退避勧告」に引き上げます。どのような目的であれ、同地域への渡航は止めてください。また、既に滞在されている方は安全を確保した上で直ちに退避してください。
●レバノン南部のほか、レバノン全土の情勢が緊迫し流動的です。2024年1月にはベイルート南部郊外ダーヒエ地区でハマス幹部がミサイル攻撃により殺害されました。また、2024年2月にはイスラエル軍が2023年10月以来初めてレバノン北東部のバールベック・ヘルメル県を空爆し、その後もレバノン東部のベカー県の複数地点を爆撃しており、不安定な情勢が続いています。2006年には、ヒズボッラーによるイスラエル兵拘束の翌日にイスラエル軍によりベイルート空港(ラフィーク・ハリーリ国際空港)が空爆され同空港が閉鎖された経緯もあることから、急速な事態悪化も想定されるため、レバノンへの渡航はどのような目的であれ、止めてください。既に滞在されている方は、商用便が運航されている間に出国を検討してください。
1 概況
(1)2023年10月8日以降、南レバノン県南部(ティール以北の地中海岸地域を除くスール地区)及びナバティーエ県のリタニ川以南(ビント・ジェベイル地区及びマルジャユーン地区)、ナバティーエ県(ナバティーエ地区及びハスバイヤ地区)の国境周辺において、イスラエル軍及びヒズボッラー等との攻撃の応酬が発生しており、民間人を含めて死傷者や被害が生じています。最近では攻撃の応酬が激化しており、大規模な交戦につながる危険性について国連をはじめとする国際社会の懸念が高まっているため、同地域を「レベル4:渡航は止めてください。」に引き上げます。上記地帯では、空爆や砲撃が継続していることから、どのような目的であれ同地域への渡航は止めてください。また、既に滞在している方は安全を確保した上で直ちに退避してください。
(2)レバノン南部のほか、レバノン全土の情勢が緊迫し流動的です。2024年1月にはベイルート南部郊外ダーヒエ地区でハマス幹部がミサイル攻撃により殺害されました。また、2024年2月にはイスラエル軍が2023年10月以来、初めてレバノン北東部のバールベック・ヘルメル県を空爆し、その後もレバノン東部のベカー県の複数地点を爆撃しており、不安定な情勢が続いています。2006年には、ヒズボッラーによるイスラエル兵拘束の翌日にイスラエル軍によりベイルート空港(ラフィーク・ハリーリ国際空港)が空爆され同空港が閉鎖された経緯もあることから、急速な事態悪化も想定されるため、レバノンへの渡航はどのような目的であれ止めてください。既に滞在されている方は、商用便が運航されている間に出国を検討してください。
(3)内戦等の歴史的経緯から国内では銃器がまん延しており、多くのレバノン人が自衛のために銃器を携行しているとされ、個人間のトラブルから発砲事案に発展するケースが日常的に発生しています。
また、集団同士の抗争や犯罪組織と治安機関との衝突が死傷者を伴う銃撃戦へと発展するケースが確認されています。こうした事案では、拳銃等の小火器のみならず、ロケットランチャー(RPG)などの重火器が使用されるケースも確認されています。
(4)近年のレバノン国内の経済・財政危機の深刻化に伴う国民の経済的困窮及びシリア難民・避難民の流入により、窃盗、車上荒らし及び強盗などの財物を標的とする窃盗(暴行を伴うものを含む)が増加傾向にあります。更に、外貨預金の引き出しが厳しく制限されている状況下、銀行預金者が武装し、人質を取って銀行に立てこもり、自身の凍結口座の解除を要求する事案が国内各地で発生しています。また、シリアと国境を接するレバノン北部、東部地域では、薬物、窃盗、殺人、銃撃、暴力等による逮捕事案が集中しています。
国内全土で、ガソリン、医薬品等の生活必需品の価格が高騰しており、供給不足が度々発生しています。電気に関しては、電力公社が供給する電力が滞り、大半の世帯がディーゼル燃料を用いて発電機によって供給される電力を使用しているため、ディーゼル燃料の価格が高騰し、電力供給が不安定化しています。
(5)一部の農民が生活苦から大麻の栽培に手を染めているほか、違法薬物関係者による凶悪事件の発生等、薬物問題が深刻です。2017年から2021年までの間に、薬物関連犯罪(栽培、製造、販売、密輸)に関与し15,000人以上が逮捕されています。また、軍や治安機関は厳格な麻薬取り締まり措置を行っており、取り締まり中に死傷者を伴う銃撃戦に発展する事案も確認されています。
(6)レバノンにおける誘拐事件は、レバノン人、シリア人、パレスチナ人、その他アラブ諸国の富裕層をターゲットにした身代金目的のものがほとんどですが、過去には上記の国籍以外の外国人を対象にした犯行も確認されています。
(7)テロ情勢については、軍や治安機関がテロ容疑者を摘発・逮捕したため、2023年中にテロ事件による被害はありませんでしたが、2022年2月に、ベイルート南部郊外を標的とした自爆ベルトや銃器等を用いた「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」による同時多発テロの未遂事件が発生している他、2022年7月から10月にかけて、治安当局によりISIL 関連の8つのテロリストグループが検挙されています。また、2021年8月以降、数十人のレバノン人が、貧困下のレバノン北部のトリポリから経済的な理由でISILに参加するためイラクに渡航したとされるなど、長引く経済危機が治安面に及ぼす悪影響が懸念され、引き続き注意が必要です。
(8)これまでに、レバノンにおいてテロによる日本人の被害は確認されていませんが、テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。近年では、単独犯によるローンウルフ型テロや、一般市民が多く集まるレストラン、ショッピングモール、公共交通機関等のソフトターゲットを標的としたテロが世界各地で頻発しており、こうしたテロの発生を未然に防ぐことは困難です。
テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。また、テロや誘拐に関する情報については、テロ・誘拐情勢も参照してください。
2 地域別情勢
(1)南レバノン県南部(ティール以北の地中海岸地域を除くスール地区)及びナバティーエ県のリタニ川以南(ビント・ジェベイル地区及びマルジャユーン地区)、ナバティーエ県(ナバティーエ地区及びハスバイヤ地区)の国境周辺(国境から約4キロメートルの範囲)
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(一部引き上げ)
2023年10月8日以降、レバノン南部において、イスラエル軍及びヒズボッラー等との攻撃の応酬が発生しており、民間人を含めて死傷者や被害が生じています。最近ではその攻撃の応酬が激化し、大規模な交戦につながる危険性について国連をはじめとする国際社会の懸念が高まっています。どのような目的であれ、同地域への渡航は止めてください。また、既に滞在されている方は安全を確保した上で直ちに退避してください。
(2)上記以外の地域
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
レバノン南部のほか、レバノン全土の情勢が緊迫し流動的です。最近ではイスラエル軍及びヒズボッラー等の攻撃の応酬が激化し、大規模な交戦につながる危険性について国連をはじめとする国際社会の懸念が高まっています。
2006年には、ヒズボッラーによるイスラエル兵拘束の翌日にイスラエル軍によりベイルート空港(ラフィーク・ハリーリ国際空港)が空爆され同空港が閉鎖された経緯もあることから、急速な事態悪化も想定されます。
2024年6月、在レバノン米国大使館の正面ゲート付近で小銃による発砲事案が発生しています。
関係当局による徹底したテロ対策及び各種取締りが継続的に実施されていますが、レバノン国内の経済・財政危機の深刻化に伴う国民の経済的困窮により、近年各種犯罪が増加傾向にあり、国内各地で抗議活動も断続的に発生しています。2021年8月には、ベイルート郊外カルデ地区(ベイルート空港の南)において、スンニー派住民とシーア派住民との間で銃撃が発生して複数の死傷者が出たほか、2021年10月には、ベイルート市南東部タイユーネ地区において、ベイルート港爆発事案の捜査を担当する判事の解任を求める抗議活動者への銃撃がきっかけとなり市街地での大規模な銃撃戦へと発展し、保健省発表によると7名が死亡、32名が負傷しました。
パレスチナ難民キャンプ内はレバノンの治安当局の管轄外であり、現在もテロリストが身を潜めている可能性があります。2023年7月から8月にかけ、南レバノン県サイダにあるアイン・ヘルワ難民キャンプではファタハとイスラム主義グループとの衝突が発生し、13名が死亡、40名が負傷しました。また、2023年9月にも同様の衝突が発生し、17名が死亡、150名が負傷、更にキャンプ外においても流れ弾が頭部に直撃した負傷者が確認されました。
つきましては、これら地域への渡航はどのような目的であれ止めてください。既に滞在されている方は、商用便が運航されている間に出国の可能性を検討してください。
3 滞在に当たっての注意
滞在中は下記事項に十分留意して行動し、自ら危険を避けるようにしてください。また、外務省、在レバノン日本国大使館及び現地関係機関等から最新情報を入手するよう努めてください。
(1)国内で氾濫する銃器に関連して、ささいなトラブルが原因で発砲事件などに発展する危険もあります。また、生活の重要な局面で銃弾を空中に発砲する習慣があり、これにより例年死傷者が発生している他、民間航空機に被弾する事案も発生しています。例えば、結婚や葬儀等の冠婚葬祭の場所、学術試験の結果発表の時期にあたる夏季、大晦日、宗教関連の祝日、政党の重要人物による演説が国内で放送される時間帯等は、特に注意が必要です。
(2)レバノン国内において違法薬物の利用、所持、運搬は厳重に処されます。また、違法薬物や犯罪組織に関与したことにより、凶悪犯罪に巻き込まれるおそれがあります。安易な気持ちで薬物犯罪に関わることは絶対に止めてください。
(3)レバノン国内の経済危機が継続する中、国内各地で生活困窮者等による抗議行動が常態化しています。抗議活動自体は概ね平和的に行われているものの、治安当局との小競り合い等により負傷者が出た事例や発砲で死傷者が出た事例も確認されています。抗議活動に遭遇した場合は、不測の事態を避けるため、絶対に近づかないでください。
(4)医薬品、ガソリン、電力等の生活必需品の価格が高騰し、供給が不安定な状況となっていることから、生活必需品の調達に関しては、テレビ、ラジオ、インターネット等の信頼できるソースから情報を収集し、万が一の事態に備えて、常に備蓄を確保しておくなどの配慮が必要です。これらの生活必需品の不足は生活に与える影響が大きいため、他人事と思わず、当事者意識を持って対応することが重要です。
詳細は以下のリンク先をご確認ください。
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