○ ウルグアイにおける最近の犯罪傾向や在留邦人被害状況などをまとめた海外安全対策情報第1四半期(2024年1月~3月)を当館HPに掲載しましたので、以下のリンクからご参照ください。
◆海外安全対策情報:2024年第1四半期
https://www.uy.emb-japan.go.jp/files/100698026.pdf
ウルグアイに滞在中の方、これから滞在を予定される方は、最新の傾向にも留意し、犯罪被害に遭われないように、十分に注意して行動してください。
海外安全対策情報(ウルグアイ)2024年第1四半期(1月~3月)
1 治安・社会情勢 (2024年1月から3月まで)
当地の治安情勢について、2024年の1月から3月までの事件発生件数を2023年の同時期と比較すると、ウルグアイ国内の殺人発生件数、強盗発生件数、窃盗発生件数全てにおいて微減しています。しかし、当地は日本と比べ犯罪発生確率が高いことには変わりが無く、日常生活を送る上で、引き続き殺人、強盗、窃盗等の被害に十分な注意が必要です。
また、ウルグアイ各地の麻薬組織間抗争やピラニア強盗(路上強盗の一種で、集団で襲い金品を強奪する手口)等に対する治安対策、貧富の格差の拡大から生じた犯罪傾向の変化、及び DV 問題等の家庭トラブルの対応件数の増加のため、慢性的な警察官の人員不足が生じているところ、日頃から自助努力的な安全対策の意識を、高く維持することが重要です。
○ 2024年1月から3月までの犯罪統計(内務省発表)
・殺人: 83件 (前年同期間(98件)と比して -15.3%)
・強盗: 5,033件 (前年同期間(6,640件)と比して -24.2%)
・窃盗: 28,377件 (前年同期間(30,778件)と比して -7.8%)
〇参考
ウルグアイ内務省ホームページ
・2024年(1月~3月)犯罪統計(殺人)
・2024年(1月~3月)犯罪統計(強盗・窃盗)
2 一般犯罪、凶悪犯罪の傾向
(1)殺人・強盗・窃盗
近年まで、ウルグアイは南米の中では比較的治安が良い国であると言われてきましたが、2018年に殺人件数が過去最高値となる416件(人口10万人あたり11.8件)、強盗件数29,904件を記録し、以降も治安の改善は見られず、更に事件内容も凶悪化している状況にあります。
内務省が発表した2023年の犯罪統計によれば、殺人の被害者は85%が男性です。殺人の原因は、犯罪組織や麻薬密売に関わる抗争や報復によるものが全発生件数の50%を占めており、犯人に抵抗する等の偶発的なものが19%、DV 及び DV に起因するものが8%、強盗に付随するもの等が7%、その他が3%となっています(原因不明が13%)。
近年特に顕著な傾向としては、麻薬組織間の抗争が激化する中、警察側が新たな機器(音響ロケーティングシステムである Shotspotter 等)と強化された装備を投入することによって、これを沈静化させる試みが見られます。特に、モンテビデオ県郊外のいくつかの区を重点警戒の対象地域に指定し、多くの警察や共和国防衛隊(特殊部隊)を配置しているものの、十分に治安を管理するまでには至っていない状況です。
2023年における殺人発生件数が多い県は、モンテビデオ県:210件、カネロネス県:44件、マルドナド県:19件、リベラ県:15件等となっています。ちなみに、刑務所内での殺人は19件となっています。
また、最も殺人発生件数の多いモンテビデオ県における県警察管轄区域ごとの殺人発生件数は、(麻薬抗争の発生地域が多く含まれる)第17区域:35件、(同様に麻薬抗争の多い)第24区域:28件、第18区域:24件、第19区域:21件、第12区域:15件等となっています。
昨今の一般犯罪は昼夜問わずに発生しており、銃器や刃物を使用した凶悪犯罪が増加傾向にあります。2023年に発生した殺人382件のうち約63%、強盗22,390件のうち約59%に銃器が使用されています。ウルグアイ国内において、正規の登録済銃は登録制度が始まって以来ほぼ変わらず約60万丁ですが、同等数の未登録の銃が不法に出回っていると言われているため(一つの原因としては、新たに登録される銃の他に、登録抹消の申請のある銃の中に、存在が確認できない銃が多く含まれていることも指摘されています。)、国民の3人に1人に相当する数の銃が存在している計算となります。これは「Small Arms Survey(SMS)」(スイスの独立研究プロジェクト)の 2018 年の報告書によれば、人口比の銃器の数としては、世界で 5 番目に多いとされています。
また、従来比較的安全と言われていた地区においても、他の地域から犯罪者が流入を初めており、事件が日常的に発生していることから、地区を問わず殺人、強盗、窃盗等の犯罪被害には十分に注意が必要です。
○ 2023年の犯罪統計(内務省発表)
・殺人 : 382件 (前年(383件)に比して -0.3%)
・強盗 : 22,390件 (前年(23,427件)に比して -4.4%)
・窃盗 : 112,747件 (前年(115,921件)に比して -2.7%)
・DV : 40,026件 (前年(38,512件)に比して +3.9%)
〇 参考
ウルグアイ内務省ホームページ
・2023年犯罪統計(殺人)
・2023年犯罪統計(強盗・窃盗)
(2)事案一覧(モンテビデオ市内対象)
別紙参照。
3 テロ・爆発事件発生状況
事件は報告されていません。
4 邦人被害の犯罪発生状況
2024年3月6日(水)午前10時ごろ、マンガ地区の在留邦人夫妻の自宅に3人組の強盗が入り、夫妻を拘束の上、金品を窃取するという事案が発生しました。夫妻は心身に大きな負担がありましたが、命に別状はありませんでした。
<注意点>
強盗事件等は、基本的には夜間の人通りの少ない場所において発生する傾向が強いですが、時間や場所を問わずに発生しています。また、昨今の犯罪には、拳銃等が凶器として使用されることが多くなっています。外出する場合には様々な形態の犯罪に遭遇する可能性を念頭に、周囲に警戒しながら行動するよう心がけてください。また、麻薬組織間の抗争が激化しており、警察機関も取り締まりを強化していますが、十分に対処し切れていない現実があります。日頃から、麻薬抗争の場となる地域には立ち入らないことや、車両でも危険地域を通過する経路を避ける等を心がけてください。
そして、近年はこれまで比較的安全といわれていたプンタ・カレータス地区やポシートス地区、ブセオ地区、パルケ・ロド地区等においても、強盗・窃盗事件等が発生していますので、十分に注意してください。
<麻薬抗争が確認されている主な地域>
ビジャ・エスパニョーラ地区、セリート・デ・ラ・ビクトリア地区、ラス・アカシアス地区(マルコーニ、コッポラ等)、カサバジェ地区、ハルディネス・デル・イポドロモ地区、マルビン・ノルテ地区、クルス・デ・カラスコ地区、カラスコ・ノルテ地区、マローニャス地区、フロール・デ・マローニャス地区、セロ地区、セロ・ノルテ地区、ラ・パロマ地区、カサボ地区等、主にモンテビデオ郊外地域(東部、北部、西部)。
5 日本企業の安全に関わる諸問題
昨今、ウルグアイ国内においては、拳銃や凶器を使用した強盗事件が日常的に発生しています。また、一般的に外国人は「裕福」と見られているため、日本企業及びその関係者が強盗や誘拐の標的となる可能性も排除できません。特にウルグアイ国内におけるアジア人の人口が少ないことから、日本人は外見だけで攻撃の対象となる可能性があります。仮に強盗事件に遭遇した場合には、抵抗する・大声を上げる・逃げる等犯人を刺激するような行動はくれぐれも避けてください。そして、視線を下げ、犯人の顔を見ないように心がけてください。また、目につく装飾品(ネックレス、時計等)やパスポート等の貴重品は、必要なく持ち歩かないことを意識してください。
また、日頃より「安全のための3原則」である、「目立たない」、「行動を予知されない」、「用心を怠らない」を心がけ、「自分の身は自分で守る」ことを意識しながら行動することが肝要です。
<犯罪事案一覧 2024年1月から3月まで(モンテビデオ市内を対象とした主なもの)>
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