【モーリタニア】危険情報(危険レベル継続)

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危険レベル・ポイント

【危険レベル】
●マリ及びアルジェリアとの国境地帯全域並びに西サハラ地域東部との一部国境地帯
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)

●上記を除くティリス・ゼムール州(ズエラットから南の幹線道路沿いを除く地域)、アドラール州東部(ワダンより東側地域)、タガント州、アッサバ州、ホード・エルガルビ州及びホード・エッシャルギ州
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)

●ダーヘル・ヌアディブ州北部(西サハラ地域との国境地帯)、ティリス・ゼムール州(ズエラットから南の幹線道路沿いの地域)、アドラール州西部(ワダンから西の地域)、ブラクナ州、ゴルゴル州及びギディマカ州(マリとの国境地帯のレベル4地域を除く)
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(不要不急の渡航中止)(継続)

●首都ヌアクショットを含む上記以外の地域
レベル1:十分注意してください。(十分注意)(継続)

【ポイント】
●以下の地域への渡航は止めてください(ティリス・ゼムール州のズエラットから南の幹線道路沿いを除く)。
●マリ及びアルジェリアとの国境地帯においては、全域でイスラム過激派組織がテロ・誘拐事件等を起こす可能性があります。また、隣国マリでは、モーリタニアとの国境地帯において、マリ国軍・トゥアレグ武装勢力・イスラム過激派による衝突等が継続しています。
●モーリタニア国防省は、国土の東半分の広範な砂漠地域を軍事地帯として立入禁止にしており、何人であっても立ち入れば攻撃の標的とみなすと発表しています。
●ティリス・ゼムール州における西サハラ地域との国境地帯については、西サハラ地域内のゲルゲラットにてモロッコ軍と西サハラ独立派組織「ポリサリオ戦線」との間で戦闘が発生し、また、モロッコ軍の無人機による爆撃などが発生しています。同州と西サハラ地域との国境を隔てる明確な目印等がないことから、不測の事態に巻き込まれる恐れがあります。

詳細

1 概況
(1)2012年以降、モーリタニア国内ではテロ事件は発生していませんでしたが、2023年3月、首都ヌアクショットの刑務所からテロリスト4名が看守2名を殺害して脱獄する事件が発生し、脱獄したテロリスト4名は武器を所持し、アドラール州のアタール付近まで車で逃走しました(その後、脱獄犯は拘束・殺害)。
周辺国のマリ、ブルキナファソ及びニジェールにおいては、「イスラム・ムスリムの支援団」(JNIM)、「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)関連組織「サヘル州」等のイスラム過激派組織によるテロ・誘拐事件が多発しています。
2021年にはマリとの国境付近(マリ領土内の南西部)で、中国人3名が誘拐される事件が発生したことから、今後も、マリ及びアルジェリアとの国境地帯において、テロ組織による誘拐事件が発生する可能性があります。
また、マリ北部においては、マリ国軍・トゥアレグ武装勢力・イスラム過激派による衝突等が継続しており、2024年4月以降、モーリタニア南東部のマリとの国境付近でも襲撃事案が発生しています。モーリタニアとマリとの国境は明確な線引きの判断が難しいことから、国境付近の村は巻き込まれる可能性があり、非常に危険です。

(2)モーリタニア政府は、一貫して「テロとの闘い」を国家の重要政策の一つとし、国境警備の強化や幹線道路における検問所の設置といった取組を積極的に行っています。2019年に就任し、2024年7月に再選したガズワニ大統領による政権運営の下、治安情勢は安定してきていますが、2023年3月のテロリスト脱獄には協力者がいるとみられることから、テロ組織関係者がモーリタニア国内に潜伏している可能性が明らかになりました。また、2024年2月に、ヌアクショット内でテロ行為を計画していた者が実行前に逮捕される事案が発生していることから、国内治安について未だ予断を許さない状況です。
その他、一般犯罪についても貧困地域などで犯罪の増加が見られ、拳銃を使用した強盗や殺人等の凶悪犯罪も発生している他、情勢に応じてデモ活動が行われています。

2 地域別情勢
(1)マリ及びアルジェリアとの国境地帯全域並びに西サハラ地域東部の一部国境地帯
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)

ア 隣国マリの全域においてJNIMの活動が活発であり、傘下組織によるテロ攻撃が頻発しています。マリでは2021年の武力政変以降、対テロ軍事介入を行ってきたフランス軍や国連PKOの撤退に伴い、マリ国軍・トゥアレグ武装勢力・イスラム過激派の三つ巴の衝突等が激化しています。マリ国内におけるテロ攻撃は増加の一途を辿っており、大きな脅威となっています。このため、マリ及びアルジェリアとの国境地帯においては、国境を越えて侵入したイスラム過激派組織によるテロ・誘拐事件等に巻き込まれる可能性があります。

イ 同国境地帯は目視できる明確な国境の目印が無いことから、意図せずして隣国に越境する可能性があり、大変危険です。

つきましては、これらの地域への渡航・滞在はどのような目的であれ止めてください。また、既に滞在されている方は、直ちに安全な地域へ退避してください。

(2)上記を除くティリス・ゼムール州(ズエラットから南の幹線道路沿いを除く地域)、アドラール州東部(ワダンより東側地域)、タガント州、アッサバ州、ホード・エルガルビ州及びホード・エッシャルギ州
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)

ア ティリス・ゼムール州の西サハラ地域とモーリタニアとの国境付近では、モロッコ軍と西サハラ独立派組織「ポリサリオ戦線」との間で戦闘が発生しています。また、2023年11月には、西サハラ地域東部のメヘアーズで、モロッコ軍の無人機により、西サハラ地域に侵入したモーリタニア人金鉱夫の使用する車が爆撃される事件が発生しました。同州と西サハラ地域との国境を隔てる明確な目印等がないことから、西サハラ地域内に誤って進入し、不測の事態巻き込まれる恐れがあります。

イ モーリタニア国防省は、国土の東半分の広範な砂漠地域を軍事地帯として立入禁止にしており、何人であっても立ち入れば攻撃の標的とみなすと発表しています。
また、広大な砂漠地帯は暑さと乾燥で過酷な環境となっており、遭難した場合や交通事故を起こした場合に、命に関わる危険があります。

つきましては、これらの地域への渡航はどのような目的であれ止めてください。

(3)ダーヘル・ヌアディブ州北部(西サハラ地域との国境地帯)、ティリス・ゼムール州(ズエラットから南の幹線道路沿いの地域)、アドラール州(ワダンから西の地域)、ブラクナ州、ゴルゴル州及びギディマカ州(マリとの国境地帯のレベル4地域を除く)
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(不要不急の渡航中止)

ア 憲兵隊による検問や上空からの監視が行われていますが、各都市間を結ぶ幹線道路を外れると治安部隊が配置されていない砂漠地帯が広がっており、不測の事態が発生した際に対応が困難となる可能性がありますので、各都市間の移動については必ず幹線道路を利用してください。

イ アタールからシンゲッティ及びワダンの区間の幹線道路は未舗装である上に路面状況が悪いことから、専門のガイドを伴い、四輪駆動の車両を利用するなど、十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

ウ 2020年11月、西サハラ地域内の国境緩衝地帯ゲルゲラットにおいて、モロッコ軍と西サハラ独立派組織「ポリサリオ戦線」との間で戦闘が発生していることから、ヌアディブ市と西サハラ地域が接する場所にある国境ポスト(通称「PK55」)からの出入国は厳に控えてください。また、ヌアディブとヌアクショット間を往来する場合は、幹線道路から外れないようにして下さい。

エ ギディマカ州は、モーリタニア、マリ及びセネガルの3か国の国境地点が存在していることから複雑な民族構成となっており、近年治安が悪化しています。現地事情に精通した人物を同行させる等、十分な安全対策を取って下さい(同州のレベル4の国境地帯には立ち入らないで下さい)。

つきましては、これらの地域への不要不急の渡航は止めてください。やむを得ず渡航・滞在する場合には、特別な注意を払うとともに、十分な安全対策を講じるようにしてください。

(4)首都ヌアクショットを含む上記以外の地域
レベル1:十分注意してください。(十分注意)

ア 2012年以降、モーリタニア国内で一般人(外国人含む)を対象としたテロが発生していないことに加え、これらの地域はイスラム過激派組織によるテロ・誘拐事件の可能性のあるアルジェリア及びマリとの国境地帯から十分に離れており、幹線道路上には警察及び憲兵隊による検問所が多数設置され十分な警戒が行われていることから、治安情勢は安定しているといえます。しかし、2023年3月には、首都ヌアクショットでテロリストの脱獄事件が発生し、2024年2月には、テロ行為を計画していた者が実行前に逮捕される事案も発生しているため、十分注意が必要です。

イ 首都ヌアクショットでは、人口流入と失業問題のため周縁部の貧困地域等での犯罪の増加がみられ、拳銃を使用した銀行強盗、殺人等の凶悪犯罪も発生しています。滞在の際は、比較的安全なテブラグゼイナ地区にとどまり、犯罪が多発する周辺のセブハ地区、アラファト地区、リヤド地区、エルミナ地区、トゥジュニン地区及びダルナイム地区の貧困地域等には立ち入らないようにしてください。

つきましては、これらの地域への渡航・滞在に当たっては、海外安全ホームページや報道等により最新情報の入手に努め、身の回りの安全に十分注意してください。

3 滞在に当たっての注意
モーリタニア滞在中は、十分注意して行動し、危険を避けるようにしてください。また、海外安全ホームページや報道等より最新情報を入手するよう努めてください。なお、詳細については、「安全対策基礎データ」
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure_278.html )及び在モーリタニア日本大使館の「安全の手引き」(https://www.mr.emb-japan.go.jp/files/100513184.pdf )を併せて参照してください。
海外渡航の際には万一に備え、家族や友人、職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
モーリタニアに3か月以上滞在する方は、在モーリタニア日本国大使館が緊急時の連絡先を確認できるよう、必ず在留届を提出してください。また、3か月未満の旅行や出張などの際には、渡航先の最新安全情報や、緊急時の在モーリタニア日本国大使館からの連絡を受け取ることができるよう、外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet )

イ これまでに、モーリタニアにおいて日本人・日本権益を直接標的としたテロ事件は発生しておらず、テロによる日本人の被害は確認されていませんが、上記のとおり、周辺国ではテロ・誘拐事件が多数発生しており、モーリタニア国内でも同様の事件が発生する可能性があります。西サハラ地域では外国人の誘拐事件や銃犯罪の発生も報告されています。
また、近年では、単独犯によるテロや警備や監視が手薄で一般市民が多く集まる場所を標的としたテロが世界各地で頻発しています。特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等はテロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
テロはどこでも起こり得ること、日本人もテロ・誘拐の標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。
モーリタニアのテロ、誘拐や海賊事案に関する注意事項については、「テロ・誘拐情勢」も参照してください。(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_278.html )

4 隣国のアルジェリア、マリ及びセネガル並びに隣接する西サハラ地域についても危険情報を発出していますので、併せて留意してください。

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