●2024年上半期に香港で発生した犯罪のうち、44%は詐欺事件です。特に日系企業を狙った送金詐欺、オンライン詐欺、投資詐欺等にご注意ください。万が一、送金してしまった場合は、ただちに警察に被害届を提出し、送金先銀行に口座凍結を依頼してください。
●クレジットカード情報の盗難も多数発生しています。クレジットカード会社からの請求内容をこまめにチェックする等ご留意ください。
●香港行きの航空機内において、手荷物として持ち込んだ金品が盗まれる事件が増加しているという報道があります。貴重品は荷物棚に置かず、自分の目の届く範囲で管理するようにしてください。
1 香港の重大犯罪発生率は高くなく、世界的には比較的安全な都市であると言えますが、近年、主に詐欺事件の増加を背景に犯罪発生件数が高くなっています。警察当局の統計によると、2024年上半期の犯罪発生件数は45,315件であり、このうち、詐欺事件の件数は19,897件で全体の約44%、スリ、ひったくり等の窃盗事件の件数は11,529件で全体の約25%を占めています。こうした状況を踏まえ、当地で犯罪被害に遭わないため、あらためて主な各種犯罪の安全対策についてお知らせします。
2 詐欺事案
警察当局の統計によると、詐欺事件が犯罪全体の4割を占めており、2021年4月ごろから発生している当地所在の日系企業を狙った電話や電子メールを使用した送金詐欺事件のほか、オンライン詐欺や投資詐欺といった様々な種類の詐欺事件が発生していることから、詐欺に関しては、以下の点に留意いただくようお願いします。
(1)電話や電子メールで口座振込の指示を受けたら、振り込む前にまず第三者(家族・親族等、社内の担当者、当館、香港警察の24時間詐欺相談ホットライン(18222)等)に相談する。
(2)自らが把握している連絡先を基にして、電話をかけてきた人物本人や担当部署の電子メールの宛先に連絡し、事実関係を確認する(知らない着信番号には架電しないなど注意を払う)。
(3)詐欺に関しては、最近、「電話会社のカスタマーサービススタッフのなりすまし」や「弁護士を装った犯人が詐欺の被害を回復すると偽る」という新たな手口が出現していることから、このような内容の電話若しくはメールを受け取った際は注意する。
(4)身の回りの方(家族や勤務先の関係者等)に対し、詐欺事件には特に注意するよう呼びかけ、防犯意識を高める。
(5)なお、万が一、電話等による詐欺被害に遭った可能性がある場合は、速やかに警察に相談の上、被害届を提出するとともに、送金元及び送金先の銀行に対し、警察へ被害届を提出した旨連絡するようお願いします。具体的には、送金先口座が香港にある場合、初動において当該口座を直ちに凍結してもらえるかどうかが重要になります。そのため、すぐに証拠を揃えて警察に出向き被害届を提出し、その場で警察から調書(ポリスレポート)を発行してもらい、それを持参しすぐに当該口座がある銀行に行って口座凍結を依頼してください。
3 クレジットカード情報の盗難
警察当局の統計によると、フィッシング詐欺(虚偽のインターネットサイトからクレジットカード情報を入力させる方法による情報の不正取得)や店頭端末(POS端末)システムのハッキング(顧客のクレジットカード情報の搾取)によるクレジットカード情報の盗難事件が多数発生しています。世界的にもダークウェブ上で売買されているクレジットカード情報のうち香港で発行されたものは、米国及び豪州に次いで多いと報道されていることから、クレジットカード情報の盗難に関しては、以下の点に留意いただくようお願いします。
(1)クレジットカードを使用する際は、信頼性の高いオンラインショップを利用 し、”https”により暗号化されたウェブサイトにおいてのみオンライン決済する。
(2)共用パソコンやフリーWi-Fiからオンラインバンキングにログインしたり、クレジットカード情報を入力したりしない。また、見たことのないアプリやウェブサイトにおいて、クレジットカード情報やセキュリティコードを入力しない。
(3)フィッシング詐欺サイトや電子メールに注意し、怪しい電子メールの添付ファイルやリンクをクリックしない。
(4)クレジットカード会社からの請求内容を確認するとともに、怪しい請求があった場合はカード会社に報告する。
(5)クレジットカード情報を含む個人情報の取扱いや管理に注意するとともに、オンライン決済する際に必要となるワンタイムパスワードを第三者に教えない。
4 航空機内の窃盗事案
警察当局の統計によると、2024年上半期の窃盗事件は2023年上半期と比較し3.9%の微増でした。しかし、今年1月から8月の間に、香港行きの航空機内で手荷物として持ち込んだ金品が盗まれる事件が132件発生しており、前年同期比164%増加しているという報道もありますので、航空機内においては、貴重品は自分の目の届く範囲で管理する(頭上の荷物棚に収納する荷物に財布、腕時計、貴金属などを入れない)ようお願いします。
5 スリ・ひったくり
スリやひったくりを含む窃盗事案は誰もが被害に遭う可能性があるため、以下の点に留意いただくようお願いします。
(1)バッグ等は道路側に持たず、建物側に持つようにするとともに、ショルダーバックの場合はたすき掛けにする。
(2)夜間帯はできるだけ明るく、人通りの多い道を選んで歩く。また、後方からオートバイ等のエンジン音などが聞こえたら、後方を警戒する。
(3)「スマートフォンを使用しながら」、「音楽を聴きながら」などの「ながら」歩きは周囲の状況が分かりにくくなるので控える。
(4)公共交通機関等の利用時を含め、第三者が居合わせる場所に出向く際には、手荷物の自己管理を徹底する。
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