最近、アイスランド国内で観光客を狙ったスリや置き引き犯罪が多発しているとして警察が注意を呼びかけています。
被害は国内随所で報告されておりますが、特にレイキャビクのダウンタウン、ゴールデンサークル(シングヴェトリル国立公園、ゲイシル間欠泉、グルフォス滝など)、南部の観光地(スコーガフォス滝、ダイアモンドビーチ、ヨークルサウルロン氷河湖など)での報告が多いようです。
警察や各種報道によると、こうした犯罪の実行グループはシェンゲン域内の東欧出身者のことが多く、観光客を装い入国しレイキャビクを拠点に主要な観光地で犯行を繰り返しているとのことです。犯人グループは単独またはグループで観光客に紛れて行動しているため、一見して観光客と見分けがつきにくく注意が必要です。犯行前に荷物を放置していたり鞄が空いているといった隙のある観光客を探した上で、雑踏を利用して見張り役の者が被害者周辺に巧妙に近づき、注意をそらすことで他のメンバーが財布や貴重品を盗むという手口が一般的で、最近は特にアジア人観光客をターゲットにしているとの情報もあり、実際に邦人の被害も確認されています。
犯行グループはリスクの低いターゲットを選別しますので、特に、景色や風景を楽しむために立ち止まる際は、カバンやリュックを前にかけ、見しらぬ人に話しかけられた際は、カバンやリュックのチャックに手を添えるなどして自衛に努めてください。また、レストランなどでも持ち物を座席に残したまま離席せず、カバンやリュックは座席の背もたれではなく膝の上に置くなどして、目の届く場所に置いておくよう注意してください。さらに、スリなどの犯罪グループが周辺にいる前提で、他の観光客や周囲の人々に不自然な動きがないか、常に意識を向け、特に複数人で行動しているグループには注意を払い不審に思う人物がいた場合、なるべくその場を離れるよう努めてください。
アイスランドは世界で最も安全な国の一つとされており、現に他国と比べると治安情勢は良好ですが、その治安の良さから来る危機管理意識の低さを逆に利用される場合もありますので、当地においても警戒心を解かず貴重品の管理を徹底するなど注意して行動するよう心がけてください。
