●イスラエル国内(特にテルアビブとその近郊)で、蚊が媒介するウエストナイル熱(西ナイル熱、West Nile Fever)の感染者が増加しています。
●感染予防のため、夜は長袖の上着やズボンの着用、虫除けスプレーを使用する等の対策に努めてください。
●ワクチンや予防薬はなく、蚊に刺されないようにすることが唯一の予防法です。
6月30日、イスラエル保健省はテルアビブ及びテルアビブ近郊でウエストナイル熱の患者が今年に入って累計81人発生し、うち7人が死亡したと発表しました。
年齢の判明している死亡者はすべて80歳以上で、重症者もほとんどは65歳以上の高齢者です。
イスラエルでは毎年6月から11月にかけて流行しますが、今年は例年に比べて流行が早く、感染者数も多く報告されています。
ウエストナイル熱は、主に夜間に吸血する「イエカ」の仲間に刺されることで感染するウイルス性疾患です。蚊に刺されてから発症するまでの潜伏期間は3日から15日とされています。また、80%の人は感染しても無症状(不顕性感染)です。症状は3日から6日続く発熱、関節痛、頭痛、筋肉痛などで、皮疹やリンパ節が腫れる人もいますが、大半は1週間ほどで回復します。しかし、感染した方の約1%は重症化し、意識障害やけいれんを引き起こす髄膜炎や脳炎になります。特に高齢者ほど重症化しやすく、癌治療中の方など免疫力の弱い方も重症化のリスクがあります。
特別な治療法が存在しないことから、予防としては極力蚊に刺されないということが特に重要です。また、今後さらに感染例が増えることや、感染者が発生するエリアが拡大することが危惧されることから、当地に居住されている方や渡航者の皆様は十分に注意してください。
蚊に刺されないようにするため、夜は長袖の上着や長ズボンを着用する、蚊除けのスプレーを使う、扇風機を使用し蚊が風で体に止まれないようにするなどの対策に努めてください。
また、蚊が発生するのを防ぐため、家の周りの花瓶、植木鉢、タイヤ、バケツ、ペット用容器、放置されたペットボトルなどを片付けるなど少量でも水がたまる場所を作らないようにしてください。
なお、ウエストナイル熱については、以下のイスラエル保健省及び日本の厚生労働省検疫所の情報もご参照ください。
(イスラエル保健省)
(厚生労働省検疫所)
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