危険レベル・ポイント
●スドゥール・パスチム州、カルナリ州(フムラ郡及びムグ郡を除く)、ルンビニ州、ガンダキ州(ムスタン郡及びマナン郡を除く)、バグマティ州(ラスワ郡を除く)、マデシ州、コシ州(ソルクンブ郡クンブ地区を除く)
レベル1:十分注意してください。(継続)
【ポイント】
●過去、バンダと呼ばれる大規模なストライキが散発的に実施され、各種交通機関の麻痺及びこれに乗じた暴力行為が発生しました。今後もバンダが実施される可能性は否定できないほか、現在、デモ等の抗議活動が頻発しており、便乗した暴力行為に注意が必要です。
●窃盗事件、薬物事件や身代金目的誘拐事件のほか、女性や子供に対する性的暴力事件が多発しています。また、インドなど周辺諸国から拳銃や爆発物が流入しており、犯罪事件における使用が確認されています。
詳細
(1)過去、バンダと呼ばれる大規模なストライキが散発的に実施され、各種交通機関の麻痺及びこれに乗じた暴力行為が発生しました。今後もバンダが実施される可能性は否定できないほか、現在、デモ等の抗議活動が頻発しており、便乗した暴力行為に注意が必要です。
(2)ネパールでは、インドとの間の「オープンボーダー」から不法入国する近隣諸国民等が多数いるといわれ、ネパールの治安の不安定要因となっています。
(3)窃盗事件、薬物事件や身代金目的誘拐事件のほか、女性や子供に対する性的暴力事件が多発しています。また、インドなど周辺諸国から拳銃や爆発物が流入しており、犯罪事件における使用が確認されています。
日本人被害事案として、自宅で就寝中の強盗被害、繁華街での傷害被害等が報告されています。またネパール原産大麻の日本への密輸や、ネパール国内での薬物使用で、日本人が逮捕された事案も報告されています。
(4)これまでに、ネパールにおいてテロ・誘拐による日本人の被害は確認されていませんが、近年、警備や監視が手薄で一般市民が多く集まる場所を標的としたテロが世界各地で頻発しており、常に注意が必要です。また、外国人を標的とした誘拐のリスクも排除されず、注意が必要です。
2 地域情勢
スドゥール・パスチム州、カルナリ州(フムラ郡及びムグ郡を除く)、ルンビニ州、ガンダキ州(ムスタン郡及びマナン郡を除く)、バグマティ州(ラスワ郡を除く)、マデシ州、コシ州(ソルクンブ郡クンブ地区を除く)
レベル1:十分注意してください。(継続)
(1) マデシ州では、2015年頃から、ネパールからの独立を目指す反政府組織であるマデシ独立同盟が各種抗議活動を活発に行い、爆発物等により市民を殺傷するなど多数の違法行為を行ってきました。しかし、マデシ独立同盟は2019年に政府と和平合意を行い、独立闘争を放棄しました。さらに、他の反政府組織も、警察の厳しい取り締まりによって組織離散状態となっており、同州の治安は改善しています。
しかしながら、爆発物の製造事案等が依然として散発的に確認されているほか、同州とインドとの間の「オープンボーダー」から入国し、ひったくりや強盗などを行う犯罪者が存在するので注意が必要です。
(2) スドゥール・パスチム州、カルナリ州及びルンビニ州には、マオイストの過激派であるマオイスト・チャンド派の勢力範囲が確認されていますが、2021年3月の政府との和平合意により、同派は暴力を放棄し、平和的政治活動を行うことに合意しました。それ以降、これらの州における治安は改善されていますが、マオイスト・チャンド派を主体とするバンダが実施された際、バンダに協力しない市民への襲撃事案が発生しました。
なお、2022年11月の総選挙期間中には、特にこれらの州で、関係者同士による衝突や発砲、手製爆弾による爆発事件が発生しましたが、選挙期間後は収束しました。
(3) バグマティ州カトマンズ郡やラリトプール郡などの都市部を中心に、身代金目的誘拐、置き引き、スリ等の窃盗、女性や子供に対する性的暴行等の一般犯罪が増加しています。
つきましては、ネパールへ渡航・滞在するに当たっては、現地事情に関する最新の情報を入手するなどし、危険を避けるよう十分注意ください。
3 滞在にあたっての注意
ネパールにおける渡航・滞在に当たっての一般犯罪等に関する注意事項については、外務省海外安全ホームページ内の「安全対策基礎データ」
( https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure_010.html )
も併せてご参照ください。)
(1)治安情勢は絶えず変化しています。渡航前に在ネパール日本国大使館や旅行会社等から最新情報を入手するとともに、渡航中も情報収集し、危険な場所、デモ、集会等に近づかない等安全確保に努めてください。特にバンダ期間中は、交通機関に影響を及ぼし、閉店する商店等もあるため、バンダに関する情報を入手しておくことは非常に重要です。
(2)ネパールへの個人旅行の際には、事前に報道等により最新の治安関連情勢について情報収集し、さらに現地ガイドを雇うなど、細心の注意を払ってください。
(3)観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等はテロの標的となりやすく、常に注意が必要です。また、外国人を標的とした誘拐のリスクも排除されず、注意が必要です。
テロはどこでも起こり得ること、日本人もテロ・誘拐の標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等から最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。
詳細は、ネパールの「テロ・誘拐情勢」も、あわせてご確認ください。(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_010.html)
(4)海外渡航の際には万一に備え、家族や友人、職場等に日程や渡航先での連
絡先を伝えておくようにしてください。
3か月以上滞在される方は、在ネパール日本国大使館が緊急時の連絡先を確認できるよう、必ず「在留届」を提出してください。
3か月未満の旅行や出張などの際には、渡航先の最新の安全情報や、緊急時
に在ネパール日本国大使館の連絡を受け取ることができるよう、外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。
( https://www.ezairyu.mofa.go.jp/index.html )
4 隣国のインド、中国についても危険情報が発出されていますので、両国の危険情報にも合わせてご注意ください。
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