●バルセロナ市及び周辺の都市(特に、バルセロナのエル・プラット空港)において、邦人旅行者の犯罪被害が多数寄せられていますので、被害事例及び対策として、下記のとおりお伝えします。
●旅行や観光で外出の際は、狙われているかもしれないという危機意識を常に持ち、安全対策を講じてください。仮に何らかの事件に巻き込まれた場合には、絶対に抵抗せず、身の安全の確保を優先してください。
1 傾向
空港、駅、観光地及び周辺の路上、電車・バス内等あらゆる場所で、盗難被害が発生しています。当館に寄せられた被害状況によれば、発生時間帯も深夜に限らず、白昼に堂々の犯行が発生しています。被害者は、単独行動である場合に限らず、また、誰でも被害に遭う可能性があります。
特に、地下鉄や鉄道駅や車内で、混雑に乗じて、または空いていても数人でグルになった「すり」が多発しており、また、荷物を運ぶ、かけられた液体を一緒に拭いてあげるなど親切を装った「すり」、「置き引き」にも注意が必要です。
2 最近複数件発生した被害例
(1)午後10時頃、バルセロナ市内サン・マルティ地区の高級ホテル屋外禁煙スペースにおいて、背後から水をかけられた直後に複数名の男が近づき、体を押さえつけられて鞄を盗まれた。
(2)午前9時頃、ランブラス通り周辺にあるホテルを出たところ、突然、何者かに液体をかけられ、60歳前後の男がティッシュを持って一緒に拭き取ってくれた。その間に足下に置いていた鞄を何者かに盗まれていた。
(3)午後1時頃、ピカソ美術館付近を歩いていたら、4人組の男から凝視され、怖くなり走って逃げた。うち2名が追いかけてきて、突然、腕時計を強奪しようとしたので、腕時計を手で押さえつつ抵抗したところ、数秒後に何も盗まず逃走した。白昼堂々の犯行であり、周囲は人通りも多かった(最近、高級機械式腕時計の強奪が多発している)。
(4)午後4時頃、バルセロナ近郊の高速道路サービスエリアに車を駐車し、降車したところで東欧系の男に話しかけられて、対応している間に、共犯者と思われる別の男が助手席に置いていた鞄を持ち去った。
3 対策
(1)持ち歩く貴重品は必要最小限にし、分散させて持つ。
盗難された所持品に旅券が含まれている場合、その後の旅程に大きな影響が及ぶ場合があります。ホテルの客室内が100%安全とはいえませんが、セイフティボックスに安全に預けられそうな場合には、持ち歩かない方が無難と思われます。
(2)バッグはしっかり口が閉められるものを出来る限り斜め掛けにして、身体の前面に回しておく。混雑時には、手で上から押さえておく。見知らぬ人に手助けの声をかけられても、常に用心を怠らず、できる限り早くその場を立ち去る。
(3)飲食店では注文時でも絶対に所持品を座席に置いたままにせず、また、鞄を椅子の背に掛けたまま食事をしない。飲食中も自分の視界から離さないよう常に注意を払う。鞄のストラップを椅子に括りつける等の物理的な対策も効果的である。
(4)常に狙われているという危機意識を持ち、ホテルや空港のチェックイン時、買い物や飲食の会計時も、前後左右の人の動きに注意を払う。
(5)何者かに声を掛けられる、体に触れられる、小銭を足下に落とされる等した場合はすぐに盗難被害を疑い、手荷物や貴重品を身から離さず、必要に応じてその場からすぐに離れ、安全な場所で異状の有無を確認する。
(6)タクシー等の車両に乗り込む際、また降りた直後は手荷物への注意が散漫になりやすいため、鞄はスーツケース等の上に置かず、常に体から離さないように持つ。
