令和6年度第1四半期のタイの治安及び一般犯罪等に関する情勢傾向についてお知らせします。安全対策等を考える際の参考にしてください。また、当館ホームページの海外安全情報も随時掲載・更新していますので、併せて御確認ください。
【在タイ日本国大使館ホームページ】
1 社会・治安情勢等「タイ深南部テロ情勢」
今期、タイ深南部(ヤラー県、パッタニー県、ナラティワート県及びソンクラー県)では、イスラム武装勢力が関係すると思われる銃器及び爆発物を使用したテロが、月平均約17件発生しました。
ヤラー県、パッタニー県、ナラティワート県及びソンクラー県の一部(ジャナ、テーパー、サバヨーイ各郡)については、外務省より危険情報「レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)」が発出されています。これらの地域への渡航は、どのような目的であれ止めてください。また、上記以外のソンクラー県の各郡については、「レベル2:不要不急の渡航は止めてください」の危険情報が発出されていることにご留意ください。
2 犯罪傾向等
(1)犯罪傾向
令和6年度第1四半期中の邦人犯罪被害として、38件の届出がありました。前四半期と比較して5件増加となっております。
(2)邦人事件簿
令和6年度第1四半期中、不法滞在などの罪により、邦人6名がタイ警察に逮捕され、邦人3名が入管法違反等により退去強制となりました。
(3)その他注意事項
【いわゆる「お金見せて詐欺」被害相談の急増について】(2024.5.27)
バンコク都内では、以前から、ドバイから来たと称する男性(又は男女)から「お札を見せてほしい」などと声を掛けられ、やり取りをしている間に現金やクレジットカードを抜き取られる、いわゆる「お金見せて詐欺」被害の相談が後を絶たないところ、5月以降、被害相談(バンコク都外含む)が急増しております。
皆様におかれましては、見知らぬ相手から上記の様に話しかけられた際は、相手にすることなく、その場を速やかに立ち去る様に心掛けてください。
被害事例
・ワットポーにて、ドバイから来たとする男女が「日本円を見たい」としつこく話しかけてきた(被害なし)。
・ヤワラート(チャイナタウン)付近のコンビニ内で、ドバイから来たとする子連れの中東系男性から、「この子に見せてあげたいので日本のお札を見せてほしい」と話しかけてきた(被害なし)。
・ホワイクワン地区の大型ショッピングセンター内にて、ドバイ人を名乗る中東系の男性に英語で国籍を聞かれ、日本人と答えたところ、仲間の女性も加わってきて、「日本に行きたいので、日本のお金を見せて」と言われた。お札を見せたところ、男性が何枚かを出し入れし、その間に女性が色々と話してきたが、後で確認したところ一万円札が抜かれていたことに気付く。
・チョンブリ県シラチャ中心部のデパート前にて、ドバイから来たとする男女から国籍を聞かれ、日本人だと答えたところ、「今度日本に行く予定だが、日本円を見たことがないので財布を見せてほしい」と流ちょうな日本語でしつこく言われた(「急いでいる」と断ったため被害なし)。
【タイ駐在日系企業に対する本社代表者名を騙った不審な電話について】(2024.6.13)
6月中、本社代表者を名乗る者からタイ駐在日系企業に対して、多額の送金を指示するなど不審な内容の電話があったとの相談がありました。ここ数年、同様の相談が定期的にあり注意喚起を行っておりますところ、今後も同様のケースが発生する可能性がありますので十分ご注意ください。
具体的には、日本本社代表者を名乗り、「水面下で企業買収の交渉を弁護士とまさに今進めている」、「以前にも企業買収を行ったが、外部に漏れ破談に終わった」、「今回は収益性アップのため必ず買収を成功させなければならない」、「他のグループ会社数社にも出資を依頼しているが、短期的資金が少し足りない」などといった説明の後に送金指示があったとのことです。
代表者を名乗る者の声が本人と非常に酷似していたほか、本社代表番号での入電、代表者本人の出張スケジュールを把握、更には応対した担当者の求めに応じて代表者本人のメールアドレスからメールも直ちに送られてきたことなどから、担当者が送金手続きを開始。しかしその後、担当者が不安に感じて本社代表連絡先に確認したところ、実際の代表者が当該指示をした事実はないことが判明し、直ちに送金差し止め手配を行ったことで最終的に実害には至らなかったとのことでした。
最近では、AIを活用したソフトを使用して偽の音声を作成して特定の人物になりすましたり、また、電話番号についても、アプリを使用して本社の電話番号など実際の発信元とは違う番号を相手方に表示させることが技術的に可能であると言われております。
皆様におかれましては、心当たりのない電話やメール、手紙等を受け取った場合には、鵜呑みにして、慌てて電話番号を教えたり、容易にメール等を送ったりせず、本社の関係部署等にも必ず確認するなど、詐欺の可能性も疑ってご対応ください。
【旅券の紛失・盗難に関する注意喚起】
昨年以降、旅券の紛失・盗難に関する相談が急増しております。今期中の相談件数は82件(うち盗難は17件)で、引き続き高水準で推移しております。
旅券は貴重品と同様に保管管理に努め、また第三者に取り出されやすいリュックの外ポケットなどに無造作に入れることなく、紛失や盗難防止に努めてください。電車内や繁華街、イベント会場など、人が多く集まる場所においては、バッグを体の前に持つように心がけてください。
○当館ホームページ「タイで旅券を紛失(盗難被害)した場合の手続き」
3 テロ・爆弾事件発生状況
令和6年度第1四半期中、邦人被害にかかる事件は報告されませんでした。
4 誘拐・脅迫事件発生状況
令和6年度第1四半期中、邦人被害にかかる事件は報告されませんでした。
5 日本企業の安全に関する諸問題
令和6年度第1四半期中、日本企業の安全に関する諸問題は報告されませんでした。
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