○テッサリア県ラリサ郡で、クリミア・コンゴ出血熱の国内症例が確認されました。クリミア・コンゴ出血熱は致死率の高い感染症で、ウイルスを持ったダニに咬まれたり、感染した動物や人の血液・体液と接触することにより感染します。
○症状は、ダニに咬まれてから通常1~3日、感染性の血液に触れてから通常5~9日で、突然の発熱、頭痛、筋肉痛、リンパ節の腫れ、発疹、血便、鼻血などの出血症状がみられます。症状出現後2週間程度で約30%が死亡します。回復する場合には、症状出現後9~10日で症状が改善します。(引用:日本厚生労働省検疫所)
○感染状況について報道等から情報を確認しつつ、ダニが付着している動物との接触を避ける、ダニの生息しそうな場所でのキャンピングやトレッキング等の屋外活動の際にはダニに咬まれないように対策するなど、注意してください。
1 6月27日、ギリシャ保健機関(EODY)は、ギリシャ中部のテッサリア県ラリサ郡エラソナ地域で、70歳以上の男性1名がクリミア・コンゴ出血熱を発症し、症状の悪化を経て死亡したと発表しました。報道によると、この男性は畜産業者で、ラリサ市大学病院に入院していました。治療にあたっていた同病院の女性医師が感染し発熱し、現在隔離されているとのことです。なお、ギリシャでは2008年にも国内症例が1例報告されています。
2 ギリシャ保健機関は次のとおり予防措置を呼びかけています。
(1)今回の症例発生を受け、感染した場合に重篤化する可能性があるため、特に症例発生地域のハイリスクグループに関して次の個人対策を徹底することを推奨する。ただし、当然ながら、ほとんどのダニはウイルスに感染していないと考えられ、ギリシャ国内でダニにより感染する可能性は低いといえる。
(2)ハイリスクグループはダニと接触する可能性が高い者となる。特に、農地や山岳地域などの郊外・屋外で活動する者、または動物の血液・体液に触れる者、つまり農業・畜産業・森林業、庭師、屠畜(とちく)所従事者、また、キャンピング、トレッキング、山登り、アウトドア・自然愛好者等、並びに、感染者と接触し得る医療関係者となる。
(3)対策
・ダニの生息し得る場所を避けること。森林、やぶ、草原など。
・ダニを見つけやすくするため明るい色の衣服を着用する。長袖、長ズボン、ハイソックスが望ましい。ズボンの裾はブーツの中に入れ、シャツの袖は軍手等の中に入れる。
・虫避けスプレー等を使用する。
・地面に直接座らない。
・屋外から室内に戻る際には、家屋の外で衣服や肌にダニが付いていないか確認し、すぐに入浴する。
・ダニを発見した場合は、素手で取り除かず手袋を必ず装着し、ダニをつぶさない。
・牛乳は殺菌したもののみを飲用する。新鮮なソフトタイプのチーズは必要な熟成期間を守ってから消費する。
・畜産業者等は家畜に対してダニ対策を講じる。
・屠畜(とちく)業者等は保護作業着の着用などの対策を講じる。
人から人への感染に関しては、
・感染者や感染疑い者との接触を避ける。
・感染者と接触する場合は、手袋等を着用し、手洗いを徹底する。
3 クリミア・コンゴ出血熱の詳細については、厚生労働省ウェブサイト等を参照してください。なお、もしダニを取り除く場合について、大使館医務官からの助言は次のとおりです。
ダニは基本的に自分で取らずに、医療機関で取ってもらってください(自分でやると頭が残ることが多いので)。医療機関をすぐに受診できずに自分で除去した場合でも、念のため皮膚科を受診して、頭が残っていないかどうか確認してください。その際は、除去したダニを持参すると、頭が残っているかどうか判断できます。
(参照)
厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000135514.html
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/name38.html
国立健康危機管理研究機構
https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ka/crimean-congo-hemorrhagic-fever/index.html
アメリカ疾病管理予防センター(CDC) (英文)
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ngo-hemorrhagic/about/?CDC_AAref_Val=https://www.cdc.gov/vhf/crimean-congo/
