● フランス国内において、日本人の方からの犯罪被害の報告が後を絶ちません。最も多く寄せられる被害報告は窃盗(スリ・置き引き等)ですが、詐欺の事例も報告されています。
● 最近、当館への報告数が増加傾向にある2つの詐欺事例についてご紹介します。ちょっとした注意により被害を防止できることもあります。ご参考としていただき、被害に遭わないよう十分にご注意ください。
1 クレジットカード詐取被害
自分のクレジットカードが使用できず困っているなどと助けを求めるふりをして、クレジットカードまたはその情報を詐取する犯罪です。シャルル・ド・ゴール空港のターミナル内において、クレジットカードを騙し取られた後、同カードを不正利用される事案が複数報告されています。
<事例>
○ 邦人被害者が空港内において見知らぬ男に声を掛けられ、「日本行きのフライトにチケットを変更したいが、クレジットカードを所持していないためチケット代の支払いができず困っている。費用(数十ユーロ)は現金で支払うので、あなたのクレジットカードで代わりに支払って欲しい。」と懇願された。
○ 邦人被害者は男から助けを求められ、気の毒に思い、航空会社の自動チェックイン機で自身のクレジットカードを用いてパスワードを入力した後、男の指示に従って操作を進めたところ、エラー表示が出たため操作を何度かやり直した(結果的に、パスワードを複数回入力することになった)。
○ クレジットカード決済が何度も失敗し、男は諦めて、「ありがとう。別の方法がないか航空会社に相談するよ。」と言って、その場を去った。
○ 邦人被害者が日本帰国後、自分のクレジットカードから数十万円が不正利用されていたことが判明した。カードを改めて確認したところ、自分のクレジットカードと似ていたが、自分名義のものではないことに気づいた。
<対策>
本事例は、親切心に付け込んだ犯罪であり、日本人は被害に遭いやすい傾向にあります。このような場合には、被害者となってからでは取り返しがつきませんので、どのような相手であれ、自衛のために断り、すぐにその場を立ち去ってください。また、クレジットカードやキャッシュカード等を見知らぬ人に安易に手渡さないことはもちろん、クレジットカードを使用する場合には、暗証番号を絶対に盗み見られないようにしてください。
2 住居賃貸詐欺
アパート検索サイトや掲示板等で知り得た賃貸借物件の連絡先にメールし、前払い金等を振り込んだものの、その後相手と連絡がとれなくなるという事案です。振り込みの相手は外国人だけでなく、日本人(または日本人を装った人物)であるケースも報告されています。
<事例>
○ フランス短期滞在を予定している邦人被害者が、インターネット掲示板に掲載のあった賃貸物件の家主とメールのやり取りを重ね、賃貸契約を結び、その後、契約金として数千ユーロを、インターネット上の国際送金プラットフォームを通じて振り込んだ。
○ フランスに到着後、家主と物件の前で待ち合わせをしていたが、家主は現れず、また、物件は実際には存在しないことがわかり、騙されたと気づいた。
<対策>
現在はインターネットを活用することにより、日本にいながらフランスの滞在先を決めることができるようになりましたが、本事例のような詐欺まがいのケースに遭遇する可能性もあります。メールのみでやり取りし、相手の存在を確認しない契約等には一定のリスクがあることを踏まえ、慎重に検討を行う必要があります。アパートやホテルのメタサーチや検索サイトを利用する場合には、信頼できる大家や不動産業者であるかを慎重に見極め、安易に振り込みを行わないようにしてください。お金を振り込んだ後では、それらの損害が回復されることは期待できません。
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