邦人旅行者のスリ被害が多発しています。スリは旅行者に道案内をする、チケット購入を手助けするなどといって「善意を装って接近」したり、道を教えて欲しい、チケットの購入方法を教えて欲しいなどと困った振りをして「人の善意につけ込んで接近」してくるケースもあります。また、スリは複数がグループを組んで犯行に及ぶケースが多く、女性や子供のグループもあります。子供がグループでスリなどの犯罪行為を行うとは日本ではあまり考えつかないことですが、相手が子供や女性だからと油断せず、むしろ子供や女性のグループに遭遇したら、警戒度を高めるくらいの意識が必要です。
旅行者、特にアジア系旅行者は現金を持ち歩くイメージがあるためスリのターゲットになりやすいです。リヨン市内ではご自身がスリのターゲットになっていると認識し、呉々も手荷物等にご注意ください。
【リヨン市内でのスリ被害例】
1 公共交通機関に乗車した際、女性グループから英語で話しかけられ、気がついたらバッグの中から財布を盗まれていた。
2 駅のホームで男性から「背中が汚れているので上着を脱いだ方が良い」と促され、その汚れを拭いている隙に足下に置いたバッグを取られた。
3 駅の券売機で「チケットの購入方法を教える」と若い女性に話しかけられ、手助けを受けてチケットを購入した。その後乗車したトラムで大人数に囲まれ、気が付いた時にはバッグの中から財布を盗まれていた。すぐにクレジットカードを止める手続きをしたが、すでに使用されていた。
4 リヨン市内の交差点を渡る際、ポケットが軽くなったのに気付いた。「男性2人組が携帯電話を擦った」と通行人の女性が教えてくれ、その通行人が男性2人に問うたが、盗んでいないと言われその場を立ち去られた。
5 リヨン市内を徒歩で移動中、背負っていたリュックのファスナーが開いていることに気が付いた。確認したところ旅券、財布等を入れていたポシェットが盗まれていた。
【スリ防止策】
1 大人数に囲まれるような場所ではバッグ等は体の正面で抱えて持つ。見知らぬ人に話しかけられた時もバッグ等は体の正面で抱えて持つ。
2 バッグ等は、留め具やファスナーをしっかり閉め、ファスナー部分を内側にして体の正面でしっかり持つ。
3 ポケットなど他者から容易に分かるところに財布やパスポートなどの貴重品を入れない。
4 リュックやバッグに貴重品を入れる場合は、ファスナーを開けてすぐに見えるところやすぐに取り出せるところに貴重品等を入れない。
5 携帯電話を使用する時は必要最小限に抑え、建物を背にする等して周囲に注意を払う。
6 券売機やレストラン等でクレジットカードを使用する際は周りに人がいないか確認し、必ず番号を手で隠して入力する。
隙を作らないようにすることは簡単ですが、これを持続することは大変です。今いる場所の危険度に応じて、間隔を開けてもいいので、1分に1秒、2分に2秒、3分に3秒だけ、自分にスキがないか振り返ってみてください。
1 バッグに手を添える。
2 ポケットに手を当ててみる。
3 ファスナーが閉まっているか確認する。
4 歩いている場所が危険ではないか注意する。
5 怪しい人が周囲にいないか振り返るなどして確認する。
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